移住までのステップとお得な支援制度
地方に移住すると決めたら、候補地選び、移住後の暮らしを支える仕事や住まい探しなど、やるべきことがたくさんあります。移住までのステップや行政による移住支援制度など、移住への進め方をまとめました。
移住までのステップをチェック
スムーズな移住に向けて、一つずつ準備を進めていこう
移住する前にやっておくことは?知っていると役立つことは…?など、移住に向けたステップは次のとおり。
(1)移住の目的を明確にする
「自然豊かな環境で子育てがしたい」「休日に釣りをしたい」など、移住の目的がハッキリ決まっていると、移住先の候補地や移住後の暮らしをイメージしやすくなります。 家族みんなで、移住したら何をしたいか、どんな生活環境がよいかを話し合ってみましょう。
(2)情報を収集する
移住の目的に合う候補地を探すために、インターネットなどで自治体の情報を集めます。 移住を積極的に受け入れている自治体の多くは、その自治体の魅力や支援制度をまとめた移住支援ポータルサイトを運営しています。移住に関する情報を手軽に入手できるので、ぜひチェックしてみましょう。 気になる自治体があれば、その自治体のパンフレットを取り寄せたり、移住相談窓口に相談したりすることもできます。
調べておくとよい項目は?
- □自治体の概要(地形・気候など)
- □主要な産業
- □主要都市へのアクセス
- □自然災害リスク(ハザードマップを確認)
- □移住支援制度
- …など
(3)現地で下見・移住体験をする
移住の候補地を絞り込んだら、実際に現地に足を運んでみましょう。 自治体によって呼び名はさまざまですが、移住希望者向けの移住体験ツアーや、一定期間滞在できるお試し移住体験施設などを実施しているところもあります。応募方法や空き情報などは、各自治体にお問い合わせください。
移住体験時のチェック項目は?
- □地域の雰囲気、住環境のようす
- □仕事環境
- □子育て・教育環境
- □交通の便(公共交通機関など)
- □日常の買い物施設(ス―パーなど)の所在地、品ぞろえ
- □休日に出かける場所
- □医療機関
- □地域の行事・風習(冠婚葬祭のルールなど)
- …など
(4)仕事と住まいを探す
移住後の暮らしの基盤となる仕事と住まいを探します。多くの自治体が、移住者の就職や住宅取得の支援制度を用意しているので、移住相談窓口に相談してみましょう。
- 仕事探し
- 地方都市など、求人数が比較的多い地域に移住するなら、転職サイトや、オンラインで全国の求人情報が検索できる「ハローワーク インターネットサービス」が便利です。求人数の少ない過疎地や離島などでは、自治体による移住者向けの就職相談窓口、就職希望者と地元企業とのマッチングサイトなどを利用しましょう。 移住をきっかけに農業や漁業を始めたい場合は、自治体の相談窓口に問い合わせをします。
- 住まい探し
- まずは地元の不動産業者に、住みたい地域の物件があるかどうか相談しましょう。物件がないときや、そもそも不動産業者がいない地域では、自治体の「空き家バンク(※)」を利用するか、公営住宅を検討します。 また、いきなり田舎暮らしを始めるのが不安なら、はじめは県庁所在地や地方都市の賃貸に住み、慣れてきたら田舎に移る「二段階移住」もおすすめです。
※空き家バンクとは…
「空き家に住みたい人」に、「空き家を売りたい(貸したい)人」を自治体が紹介する制度です。空き家物件の情報は自治体のWEBサイトで確認できるほか、全国の空き家物件を検索できる「全国版空き家バンク」WEBサイトもあります。
基本的に、条件交渉や契約手続きは当事者間で行いますが、自治体が協定を結んだ不動産業者が仲介を行うこともあります。
(5)移住生活がスタート
いよいよ移住先での新生活の始まりです。「ところ変われば品変わる」といわれるように、住む場所によって、生活や風習が異なるのは当たり前。地域のルールや決まり事を知るためにも、地域の集まりやコミュニティには積極的に参加していきましょう。
ちょこっとメモ!
新しい移住スタイル「二拠点居住」とは。都会と田舎のいいとこどりができる?
近年、注目を集める「二拠点居住」は、都会と地方の両方に生活拠点を持ち、平日は都会で仕事をして、週末は地方で自然を満喫するなど、二拠点を行き来しながら暮らすライフスタイル。都会での仕事を続けながら田舎暮らしも楽しみたい場合や、本格的に田舎暮らしを始める前のお試しとして、二拠点居住を選択する人が多いようです。 二拠点で暮らすようになると、移動時間はもちろんのこと、交通費もそれなりにかかります。負担を軽くするために、なるべく近距離の拠点を選ぶとよいでしょう。
移住支援制度をチェック
国や自治体のサポートは積極的に利用したい
移住をしたいけれど、お金や仕事の不安があり決断に踏み切れない…という人のために、国や各自治体ではさまざまな移住支援制度を用意して地方移住を後押ししています。支援を受けるには一定の条件がありますが、お得に地方移住を叶えるために、利用できる制度があればぜひとも利用しましょう。
国が実施する支援制度
地方への移住や起業をサポートする支援金
国が2019年度から実施している地方創生支援事業は、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)からの地方の移住や、地方での起業を支援するもの。「移住支援金」と「起業支援金」の2つが用意されています。
- ・移住支援金
- 東京23区に在住または通勤する人が、東京圏外へ移住して起業や就業をすると、1世帯につき最大で100万円(18歳未満の子どもがいれば、1人につき最大100万円を加算)、単身者は60万円の支援金を受けられます。
- ・起業支援金
- 地域の課題を解決するための社会的事業を新たに起業した場合に、必要経費の2分の1にあたる額が交付され、最大200万円が受け取れます。 また、計画の審査や事業立ち上げに向けた伴走支援も受けられます。
※「移住支援金」と「起業支援金」の制度は、自治体ごとに実施期間、支給額などが異なります。支援の対象となる条件など、詳細は移住先の道府県・市区町村にお問い合わせください。
参考:内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」移住支援金・起業支援金
https://www.chisou.go.jp/sousei/shienkin_index.html
自治体が実施する支援制度
仕事・住まい・子育てなど、さまざまな新生活の支援がある
国による移住支援制度のほかに、各自治体が独自に行っている移住支援制度もあります。支援の中心は、暮らしに直結する「就業支援」「住宅関連支援」「子育て支援」などですが、自治体によって実施する支援や条件などは異なるため、候補地の移住支援制度をチェックしましょう。
・支援の条件や内容を調べるには? 自治体のWEBサイトなどで確認できます。支援の条件などは年度ごとに変わることもあるので、不明点があれば自治体の移住相談窓口に直接問お問い合わせください。
【就業支援の例】
- ・移住者向け就職相談窓口
- ・起業相談窓口
- ・新規就農支援
- ・新規就漁支援
- ・保育士など特定資格者、技能者の就業支援
- ・都市部に通勤する人への補助(新幹線通勤補助など)
【住宅関連支援の例】
- ・空き家バンク
- ・宅地貸付・分譲
- ・住宅取得・改修補助
- ・賃貸住宅家賃補助
【子育て支援の例】
- ・医療費助成
- ・出生祝金
- ・紙おむつ支給
- ・乳幼児健診費用助成
- ・放課後児童クラブ
- ・不妊治療費助成
- ・離島地域妊産婦交通・宿泊費助成
- ・子育て世帯家賃減免
移住前のお試し体験など
住みたい地域の雰囲気を知り、準備を進める上で役立つ
移住する前に田舎暮らしを体験できる移住体験ツアーなど、移住希望者を対象にした支援や、仕事探しや住まい探しで一時滞在費用の支援などを設ける自治体もあります。支援を活用しながら、しっかりと準備を進めていきましょう。
移住希望者向けの支援サービスの例
- ・移住体験ツアー
- ・お試し移住体験施設
- ・農業体験(田植え・稲刈り・収穫体験など)
- ・農家宿泊体験
- ・一時滞在時の宿泊費用助成
- ・一時滞在時のレンタカー費用助成
- ・引越し費用助成
まとめると…
移住の不安を軽減するために、事前準備と支援制度のチェックを忘れずに!
地方移住は生活環境が大きく変わるため、移住後のお金や仕事のことなどが気になるもの。不安を少しでも軽減するために、事前に住みたい地域の情報を集め、お試し移住ツアーなどで現地の雰囲気をつかんでおくことは大切です。また、国や自治体の移住支援制度の要件などもしっかりと調べておきましょう。
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最終更新日 2024年12月02日
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