【色選び】色の特徴・効果から選ぶ
赤、青、緑などの色みの違いや、同じ色みでも明るさや暗さ、鮮やかな感じやくすんだ感じなど、色の個性は私たちの気持ちや暮らしに大きな影響を与えています。色が持つ特徴や効果を知り、その部屋に合った色選びをしてみませんか。
色の特徴・効果を知って色選びに活かす
「部屋の用途」と「色のイメージ」をリンクさせると居心地アップ
エネルギッシュな印象の赤、クールで知的な雰囲気の青など、色にはそれぞれのイメージがあります。たとえば病院の内装の色は白系が多く、医師や看護師の服装も、白衣か白系のユニフォームが定番ですが、これは白が持つ「清潔」というイメージが病院にふさわしいとされているためです。
住まいのインテリアも、家族が団らんを楽しむリビングに穏やかな雰囲気の茶系やベージュを選んだり、寝室に心を落ち着かせるグレーを取り入れたりするなど、部屋の用途に合った色を選ぶことが居心地のよい部屋づくりにつながります。
代表的な色のイメージは?
色ごとのイメージや、部屋づくりに役立つ効果を紹介
●赤系の色の効果
色のイメージ:エネルギッシュ、活動的、情熱
赤色は、元気や活力に満ちた印象をもたらします。刺激が強い色なので、クッションなどで少量を投入するか、落ち着きのあるワインレッドなどを選ぶと◎。食欲増進効果もあり、リビング・ダイニングなどにぴったりです。
●オレンジ系の色の効果
色のイメージ:温かい、楽しい、前向き
見ているだけで楽しく、ほがらかな気持ちになれるビタミンカラー。気持ちを前向きにして集中力を高める色でもあります。リビングやキッチン、作業に集中したい書斎などに。
●黄系の色の効果
色のイメージ:明るい、喜び、楽しい
明るい太陽を思わせる色。喜びや楽しさをもたらす色として、リビングなどのアクセントに活躍します。注意をうながす色でもあるため、広い面積に使用すると目が疲れてしまいがち。少量を効果的に取り入れましょう。
●緑系の色の効果
色のイメージ:自然、穏やか、安らぎ
新緑や森を連想させる緑色を身の回りに置くと、心が安定し、リラックス効果も期待できます。家族が集まるリビングをはじめ、落ち着いて過ごしたい寝室や書斎などに使用して、居心地のよい空間に。
●青系の色の効果
色のイメージ:クール、知的、さわやか
青色は、人間の副交感神経に作用して血圧や脈拍を下げ、気持ちを落ち着かせる効果があるといわれています。一日の疲れを癒す寝室に取り入れるとリラックス感満点。集中力を高める働きもあるので、書斎にもおすすめの色です。
●紫系の色の効果
色のイメージ:高貴、優雅、神秘的
かつては高貴な身分の人だけが身に着けることが許された紫色。優雅で神秘的なイメージで、ファブリックや絵画などに用いられます。安眠効果もあるといわれ、淡いラベンダー色や藤色は寝室の壁、ベッドリネンに人気。
●ピンク系の色の効果
色のイメージ:優しい、幸福、フェミニン
優しさや女性らしさを象徴する色。心身の緊張をほぐし、女性ホルモンを活性化させるという説もあります。リビングや寝室、子ども部屋に用いて幸福感にあふれた空間に仕上げたり、バスルームやトイレに取り入れても。
●白系の色の効果
色のイメージ:清潔、ピュア、シンプル
どんな色とも合わせやすく、清潔や純粋といった印象を際立たせる効果を持つ白。リビングなどの居室や、水まわりなどにマルチに使用できます。ただし、真っ白な空間は緊張を感じやすいので、広い面積に使うならベージュやエクリュ(生成り)がおすすめ。
●グレー系の色の効果
色のイメージ:上品、落ち着き、クール
白と同様、組み合わせる色を選ばない万能カラー。落ち着いた雰囲気があり、リビングや寝室、書斎などに活躍しますが、使いすぎると硬質で冷たい印象を感じやすいためバランスには注意しましょう。
●黒系の色の効果
色のイメージ:高級感、重厚感、モダン
高級感やステータス感のある黒を取り入れたコーディネートは、空間全体が引き締まり、ハイセンスな雰囲気が感じられます。モダンスタイル、インダストリアルスタイルのリビングやバスルームなどに。
●茶系の色の効果
色のイメージ:自然、安らぎ、安定
木の質感を生かした空間には欠かせない色。落ち着きや安らぎをもたらす効果があり、リビングや寝室、和室などに使われます。特に茶系のグラデーションを取り入れたコーディネートのリビングは、世代を問わず人気があります。
ちょこっとメモ!
住まいの公私のスペースにも着目。来客者の目に触れる場所は統一感を重視して
色選びをするときは、住まいの「パブリックスペース」と「プライベートスペース」を意識するとよいでしょう。パブリックスペースとは家族以外の来客も利用することもあるスペースで、リビングやダイニング、廊下、玄関、トイレなどが該当します。基本的に、パブリックスペースで使用する色は落着きのある色、淡い色など、主張の強くない色を選ぶのがセオリーです。
一方、プライベートスペースはキッチン、バスルーム、寝室、子ども部屋など、その住まいの家族全員か、個人が利用するスペースです。利用者の好みに合わせて内装材の色に遊び心を出したり、思いきった色使いを採用したりするのはプライベートスペースが適しています。
明るさや鮮やかさを表す「トーン」
同一トーンならカラフルでも調和のとれた印象に
色の表現には、赤、青、緑などの色みの違いのほかに、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)を表した色調(トーン)も。いろいろな色みを同じ明度と彩度で揃えたものを同一トーンといい、カラフルでありながら、明るさや鮮やかさが同じなのでまとまりやすいのが特徴です。
住まいのカラーコーディネートで採用されることが多いのは、ライトトーン、ソフトトーン、グレイッシュトーン、ダークトーンなど。それぞれのトーンのイメージによって、部屋の印象や仕上がりも変わってきます。
代表的なトーンのイメージは?
それぞれのトーンのイメージや、コーディネートのコツを紹介
●ライトトーンの効果
トーンのイメージ:かわいい、カジュアル
お菓子のマカロンを連想させる、明るく軽やかな色使い。かわいらしい雰囲気で、トおもちゃの色となじみやすいため子ども部屋などに多く使われます。ポップでカジュアルなインテリアの部屋とも相性抜群。
●ソフトトーンの効果
トーンのイメージ:優しい、楽しい
上のライトトーンに、ほんのり明るいグレーを混ぜて優しい表情を引き出した色使い。穏やかで楽しい雰囲気があり、白系や木質感のある茶系など、どんな色とも比較的合わせやすいです。ナチュラルスタイル、スカンジナビアンスタイルの部屋などにぴったり。
●グレイッシュトーンの効果
トーンのイメージ:渋い、穏やか
ソフトトーンより明度を低くして、ミディアムグレーを混ぜたものがグレイッシュトーン。くすみのある色合いは一見地味な印象ですが、穏やかさや、シックな気品も感じられます。シンプルでモダンなスタイルや、シャビーシックなスタイルにおすすめです。
●ダークトーンの効果
トーンのイメージ:伝統的、マニッシュ
中程度の鮮やかさに、ブラックを混ぜた色合いが渋い印象。ダークな茶系の木製家具、アイアン、レザーといった素材と相性がよく、インダストリアル・ブルックリンスタイルの部屋などに使うとしっくりとなじみます。
まとめると…
十人十色の家づくりを叶える色使い。しっかり選んでおしゃれな住まいに!
私たちの気持ちを元気にしたり、落ち着かせたりする色。住まいの理想は文字どおり十人十色ですから、自分や家族にとって心地よい色使いもさまざまです。どんな住まいに住みたいのか、部屋ごとのテイストをどうするか、理想の住まいを描きながら「これぞ!」と思う色を選んでくださいね。
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最終更新日 2024年12月02日
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