見直しのステップと注意点

見直しのステップと注意点

2023年12月4日 更新
見直しのステップと注意点

保険の見直しをすると決めたら、まずはどこから手をつければよいのでしょうか。なにかと複雑で大変なイメージのある保険の見直しですが、自分と家族にぴったりな保障を知るステップと注意点を押さえて、スムーズに見直しを進めましょう。

保険の見直しを始める前に…

自分と家族の暮らしを守る保障のニーズを確認したい

保険の見直しを始める前に…

保険を見直すときに、なによりもまず確認しておきたいのが、自分と家族の保障ニーズ。現在の暮らしを振り返りながら、我が家にどんなリスクがあるのか、リスクに対応するためにどのような保障を優先するべきなのかを考えていきます。現在のリスクや保障ニーズが分かりにくい場合は、「保険を見直すタイミング」を参考にしてみてください。

必要な保障額の目安は?

もしものときに困らない保障額を見積もる

必要な保障額の目安は?

自分と家族の保障ニーズが明らかになったら、もしものときに必要な保障額の目安を見積もります。
ここでは、主に家計を支えている人が亡くなったときの死亡保障額について見ていきましょう。

(1)支出を確認する

暮らしの支出
一家の大黒柱が死亡した後に、遺された家族が暮らしていくために必要な生活費、子どもの教育費、住居費などの見当をつけます。
死亡時の支出
死亡時にかかる葬儀費用、相続税などの見当をつけます。

(2)収入を確認する

公的保障や在職していた会社の保障など
亡くなった人が会社員であれば、死亡時の公的保障として遺遺族厚生年金と遺族基礎年金が給付されます。また、会社によっては死亡退職金や弔慰金などが給付されることがあります。
貯蓄、配偶者の収入など
貯蓄や配偶者の収入なども、遺された家族の暮らしの支えとなります。

(3)必要な保障額の目安を見積もる

(2)の収入から、(1)の支出の支出を差し引いた場合の金額が必要保障額の目安となります。
現在加入している保険の内容で、必要な保障額をカバーできている場合は適切な保障額まで減額・解約することができますし、必要な保障額が不足している場合は保障を増やすことを検討しましょう。

保険の種類ごとの特徴は?

特徴を知り、我が家に合った保険を選ぶ

保険の種類ごとの特徴は?

ひと口に「保険」といっても、いくつかの種類があり、特徴も異なります。
それぞれの特徴を掴んで、自分や家族の保障ニーズに合うものを見極めることが大切です。

定期保険

保障期間が「00年間」、または「00歳まで」というように限りがある保険です。
保険料が掛け捨てになっているケースが多く、貯蓄性はありませんが、同程度の保障内容の終身保険よりも保険料が安く設定されています。

【こんな人におすすめです】
□保険料を抑えながら、保障を確保したい
□子育て期間中など、一定期間のみ保障を手厚くしたい

終身保険

保障が一生涯にわたって続く保険で、途中解約したときは解約払戻金が給付されます。終身保険は、同程度の保障内容の定期保険よりも保険料が高く設定されています。

【こんな人におすすめです】
□一生涯の保障を確保したい

養老保険

死亡保険のうち、一定の保険期間が設定されており、保険期間中に死亡した場合は死亡保険金が給付され、満期まで生存した場合は死亡保険金と同額の満期保険金が給付されるタイプの保険です。同程度の保険期間や保障額の定期保険と比べると、保険料は高めです。

【こんな人におすすめです】
□万一の死亡時の備えを確保しながら、将来のために貯蓄したい

「掛け捨て型」と「貯蓄型」

上記のほかにも、生命保険は「掛け捨て型」と「貯蓄型」のタイプに分類されます。 「掛け捨て型」の代表は定期保険、医療保険、がん保険などです。貯蓄型よりも保険料は安いですが、満期時の満期保険金や解約時の解約払戻金はありません。 「貯蓄型」の代表は終身保険、養老保険、子どもの学資保険などで、保障と貯蓄を兼ね備えているのが特徴です。貯蓄型の保険では、もしものときの保障を確保しつつ、満期時には満期保険金が、解約時には解約払戻金が給付されます。

見直しのポイントは?

加入中の保険の内容をチェックして臨機応変に対応する

見直しのポイントは?

現在の保険を引き続き加入するか、それとも保障の増減や解約、新しい保険への乗り換えを検討するか、判断するためのポイントは次のとおりです。

保障内容や保障額に過不足はないか

現在加入している保険の保障内容を確認して、自分や家族の保障ニーズと合っているかをチェック。併せて、保障額にも過不足がないかどうかを確かめましょう。 よくあるのが、保障内容をきちんと把握しない状態で加入してしまい、別の保険と保障内容が重複していたり、公的保障でカバーできる範囲の保障額になっていたりするケース。例えば医療保険なら、公的な健康保険の高額療養費制度によって、1ヵ月の医療費が上限額を超えた場合に差額が支給され、自己負担額をかなり抑えることができます。こうした公的保障を活用すれば、医療保険がなくても貯蓄で入院費や治療費をまかなえるとも考えられます。

保険期間は適切か

定期保険では、一定の保険期間のみの契約となるため、保険期間を過ぎると保障がなくなります。産休・育休で収入が減額になる期間や、子どもが独立するまでの期間など、保障を必要とする時期に保険期間が該当するかどうかを確認します。 なお、保険期間の更新を繰り返すタイプの定期保険の場合、更新するたびに保険料が上昇します。更新後の保険料の負担が厳しいようなら、更新前に見直すことも検討しましょう。

保険料の支払いに無理がないか

どんなに保障内容がぴったりでも、保険料が高額だと家計の負担となり、長く継続するのが難しくなってしまいます。 現在加入している保険料の支払いが厳しい場合は、保険期間を見直したり、残したい保障額まで下げて保険料を抑えたりすることを検討しましょう。近年はインターネットで加入できる保険を中心にリーズナブルな保険商品が登場しているので、現在と同程度の保障内容で、保険料が割安なものを探してみるのもおすすめです。

見直しをするときの注意点は?

暮らしを守るはずの保険のトラブルを防ぐために

見直しをするときの注意点は?

保険を見直して、現在の保険から新たな保険へ乗り換えるなら要注意。場合によっては、次のようなトラブルにつながるかも知れません。

無保険期間が発生するおそれがある

生命保険の加入申し込みから実際の契約開始までには時間がかかり、健康上の理由などで加入を断られる場合も考えられます。 新しい保険の契約開始より前に古い保険を解約してしまうと、その間は無保険期間となり、このときにもしものことがあっても、保険金を受け取ることができません。保険を乗り換える場合は、古い保険を焦って解約せずに、新しい保険の契約開始を待ってから解約手続きを行いましょう。

転換は条件が不利になることも

保険の更新などのタイミングで、保険会社から転換を勧められることがあります。転換とは、現在加入している保険の解約払戻金積立配当などをもとに新たな保険を契約する制度ですが、転換をすることで現在の保険より利率が下がるなど、かえって条件が不利になることもあるようです。 場合によっては、転換よりも現在の保険で不足している保障を特約でカバーしたり、現在の保険に加えて新しい保険に加入したりするほうがよいケースもあります。

まとめると…まとめると…

保険の見直しは適切な保障の見極めから。保障ニーズや公的保障もしっかりチェック

保険の見直しは適切な保障の見極めから。保障ニーズや公的保障もしっかりチェック

いざというときに備えたい保障は、多すぎても保険料のムダになりますし、少なすぎても将来の不安の種になります。適切な保障内容を見極めるには、今の保障ニーズや公的保障などを踏まえて、保障額の目安を把握することがポイント。もしも自分だけで判断するのが難しいと感じたら、保険会社などに所属しない中立的なファイナンシャルプランナーに相談するのも一考です。