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「Wi-Fi 6」とは?

2021年7月7日 更新
「Wi-Fi 6」とは?

Wi-Fi ルーターと、ネットワーク接続機器(パソコンやスマートフォンなど)をワイヤレスで接続して、データ通信を行うWi-Fi 6。家庭やオフィスのような屋内を中心に利用され、Wi-Fi 6対応の家電や機器などもあります。そんなWi-Fiの新規格「Wi-Fi 6」の特徴や、今までとの違いを見ていきましょう。

第6世代にあたる最新のWi-Fi規格

2020年頃から日本でも普及が進み、対応機器も登場

第6世代にあたる最新のWi-Fi規格

Wi-Fi 6(ワイファイシックス)は、2019年に標準化されたWi-Fiの最新規格。日本では2020年頃から本格的にスタートし、Wi-Fi 6対応の機器も登場しています。 これまでにWi-Fiはいくつかの規格が存在しており、Wi-Fi 6の「6」とは規格の第6世代ということをあらわしています。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

無線LANとWi-Fiは同じもの? ― ほぼ同義に使われるけれど、本当は別物

無線LANとWi-Fiは同じもの? ― ほぼ同義に使われるけれど、本当は別物

無線LANもパソコンやスマホをワイヤレスで接続するため、「Wi-Fiと同じものでは?」と思われるかも知れませんが、実は同じではありません。無線LANは、元々ケーブルでつないでいたパソコンや周辺機器を無線化したネットワークであるのに対して、Wi-Fiのほうは、無線LANで機器同士が接続できると認められた規格の一つで、両者は別物です。ただし、Wi-Fiが広く普及した現在では、無線LANとWi-Fiがほぼ同義で使われることも多くなりました。

正式名称は「IEEE 802.11ax」

数字を世代であらわして、新旧をわかりやすく

数字を世代であらわして、新旧をわかりやすく

「Wi-Fi 6」という名称が一般的ですが、規格の正式名称は「IEEE 802.11ax」といいます。 これまでのWi-Fi規格は「IEEE 802.11ac」「IEEE 802.11n」といった正式名称を略して「11ac」「11n」というように呼んでいました。ところが、「11+アルファベット」の組み合わせでは新旧の区別がつきにくいため、2019年から第6世代のIEEE 802.11axを「Wi-Fi 6」、第5世代のIEEE 802.11acを「Wi-Fi 5」、第4世代のIEEE 802.11nを「Wi-Fi 4」と呼ぶようになりました。

Wi-Fiの世代と名称

世代 新名称 正式名称 最大通信速度 周波数帯
第6世代
2019年~
Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax 9.6Gbps 2.4GHz帯
5GHz帯
第5世代
2013年~
Wi-Fi 5 IEEE 802.11ac 6.9Gbps 5GHz帯
第4世代
2009年~
Wi-Fi 4 IEEE 802.11n 600Mbps 2.4GHz帯
5GHz帯
第3世代
2003年~
- IEEE 802.11g 54Mbps 2.4GHz帯
第2世代
1999年~
- IEEE 802.11b 11Mbps 2.4GHz帯
第1世代
1997年~
- IEEE 802.11 2Mbps 2.4GHz帯

※第1~3世代にあたる規格は新名称の定義がありません。

Wi-Fi 6の主な特徴を紹介!

(1)高速

高速

Wi-Fi 5では最大通信速度が6.9Gbpsであるのに対して、最新のWi-Fi 6では9.6Gbpsに達し、約1.4倍もの「高速」を実現しました。 この最大通信速度は理論上の最大速度であり、実際は利用環境などに左右されますが、Wi-Fi 6は狭い会議室のような高密度環境でもWi-Fi 5の4倍の実効速度が出ることを目標としています。高画質動画、オンラインゲームもストレスなく楽しめます。

(2)同時接続でも安定

同時接続でも安定

パソコン、スマホ、タブレットのほかに、最近ではテレビ、レコーダー、エアコン、冷蔵庫など、インターネットにつながる機器が増えています。Wi-Fi 5では、このような複数の機器が同時に接続すると、処理スペースが低下することがありました。 そのためWi-Fi 6では、電波を細かく分けて効率よく利用するOFDMAという技術を採用したり、同時に通信できる機器を4台から8台に増やすなどして、高密度環境での「同時接続でも安定」した通信を実現しています。

(3)省エネ

省エネ

Wi-Fi 6で新たに採用された技術として、TWTがあります。これはWi-Fiの親機(アクセスポイント)からスマホなどの子機へデータ通信を行うタイミングをあらかじめ設定するもので、通信の必要がないときは子機をスリープ状態にします。子機の消費電力を抑え、バッテリーを長持ちさせる「省エネ」効果があるとされています。

周波数帯にもこんな特徴が

状況により使い分け可能な2つの周波数帯を使用している

状況により使い分け可能な2つの周波数帯を使用している

日本では、Wi-Fiの第1~3世代は2.4GHz帯という周波数帯を使用しており、Wi-Fi 4は2.4GHz帯に加えて5GHz帯の2種類を使用、Wi-Fi 5では5GHzのみ使用となっていました。 今回のWi-Fi 6は、再び2.4GHz帯と5GHz帯の両方を使えるようになり、各周波数帯の特徴や利用環境に応じて、周波数帯を使い分けて利用することが可能です。

2つの周波数帯の特徴

  2.4GHz帯 5GHz帯
特徴 【メリット】
・通信可能範囲が広い
・壁などの障害物に強い
【デメリット】
・電子レンジやBluetoothなどの周波数帯でもあるため、干渉しやすく、通信が不安定になることも
【メリット】
・周波数帯が比較的開いているため、ほかの電波との干渉が少なく通信が安定しやすい
【デメリット】
・壁などの障害物に弱い
・通信距離が長くなると電波が弱くなる
対応規格 IEEE 802.11/b/g/ax(Wi-Fi 6) IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)/ac(Wi-Fi 5)/ax(Wi-Fi 6)

活用するにはWi-Fi 6対応の機器が必要

ルーターも接続機器も対応製品であればWi-Fi 6通信ができる

ルーターも接続機器も対応製品であればWi-Fi 6通信ができる

上記で述べたようなWi-Fi 6の機能は、ルーターも接続機器もWi-Fi 6対応のものでないと活用できません。対応製品にはWi-Fiの認証団体から認証を受けたことを示す「Wi-Fi CERTIFIED 6TM」というマークがあるので、製品選びの参考にしましょう。
ちなみに、Wi-Fi 6は過去の規格との下位互換性があるため、ルーターと接続機器のどちらか一方がWi-Fi 6対応で、もう一方が過去の規格(Wi-Fi 5など)でも接続できます(その場合は過去の規格での通信となります)。

まとめると…まとめると…

高速で快適なワイヤレス環境!Wi-Fi 6で暮らしが便利になる

高速で快適なワイヤレス環境!Wi-Fi 6で暮らしが便利になる

Wi-Fiは1997年に初めて登場し、規格が新しくなるたびに通信速度が向上してきました。その第6世代のWi-Fi 6は、通信速度の向上に加えて、複数の機器を同時にWi-Fiにつなぐような状況でも快適に利用できるメリットがあります。次のページでは、「高速」「同時接続でも安定」「省エネ」という特徴を持つWi-Fi 6が私たちの暮らしにどのような変化をもたらすのか、その一例を紹介します。

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最終更新日 2024年12月02日