2015年5月21日 更新
スマートハウスは、複数の設備や電子機器をネットワークでつないで活用する住宅です。そのため住宅設計時には配電計画を十分に考慮する必要があり、設計の途中であれこれ追加や変更をするのが難しい場合も考えられます。ですから、まずはスマートハウスを建てる目的を明確にして、目的を実現するためにどのような設備や工夫が必要か考えてみます。
スマートハウスを建てる目的の例
- 家庭内の消費エネルギーを把握して節約に役立てたい
- 災害などで停電になった時の備え
- 日中の電力消費量が多いので、太陽光発電で少しでも電気代を節約したい
- オール電化に興味があり、電力を効率的に消費したい
- エコカーを購入予定なので、自宅でスムーズに充電したい……など
目的によって必要な「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」設備は異なるため、資金計画も変わってきます。また、設備によっては補助金が出る場合もありますから、事前に情報収集しておくことも大切です。※補助金については次ページで説明します。
スマートハウスに限らず、家づくりは信頼できる会社探しが重要です。スマートハウスの設計・施工は、TVのCMなどの影響もあって大手ハウスメーカーのイメージが強いのですが、最近では地元密着型の工務店でスマートハウスを手掛ける例も増えています。どの会社でも、さまざまな特徴を備えたスマートハウスを展開しているので、まずは気になる会社を複数ピックアップしましょう。
スマートハウスは新しい住まいのカタチですから、まだまだ施工実績が少ない会社もあります。その会社でスマートハウスの取り扱いがあるか、スマートハウスに関する幅広い知識と実践があるかどうかを確認してください。そして、資料やモデルハウスなどで各社のスマートハウスを比較・検討することをおすすめします。
スマートハウスは「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の設備があり、各設備を「HEMS」でコントロールするという大まかな定義はあるものの、会社によって考え方もいろいろです。スマートハウスの家づくりをお願いする会社は、手掛けているスマートハウスが自分たちの生活に合っているかどうかを見極めましょう。また、分からないことがあったら気軽に相談できるように、担当者の説明や対応が丁寧な会社を選ぶようにします。
家づくりといえば、気になるのが費用面。スマートハウスに設置する設備や電気機器が多ければ多いほど、費用も増えていきます。例えば太陽光発電システムなら、設置費用込みの価格が1kWあたり40~50万円というのが目安です。4kWの太陽光発電システムを導入する場合は160~200万円が必要です。これらの費用は住宅の広さやお住まいの地域などによって異なりますから、事前に導入コスト、設置後のランニングコスト、利用できる補助金などを考慮して資金計画をしっかりと立てましょう。
最近では既存の住宅をリフォームでスマートハウス化する例もありますから、初めは省エネ住宅を建てて、その後の生活を見ながら年数をかけて少しずつスマートハウスにしていくことも可能です。ただしその場合も、初めから断熱性・気密性の高い住宅にすることが大切。どんなに最新式の設備を導入しても、住宅そのものの断熱性・気密性が低いと省エネ効果が少なくなってしまいます。また、太陽光発電パネルを屋根に搭載するには、屋根の角度や強度などで条件があります。これらは設計段階で、担当者と将来のスマートハウスのリフォームについて相談しておきましょう。
- スマートハウスなら、パソコンやスマホを使ってどんなことができる?
- インターネットを介して電力状況を確認できます。
HEMSをルーターに接続すると、インターネットを介してパソコンやタブレット端末からエネルギーの消費状況を確認できるシステムがあります。また、外出先からスマホやパソコンで消費状況をチェックできるものも。これなら、エネルギーを身近に感じることができるだけでなく、外出先から電力消費量をチェックして不審者の侵入に気付いたり、帰宅前にエアコンを作動させたりすることも可能です。
- スマートハウスを建てる目的を明確にしてから設備や資金計画を検討する
- スマートハウスを手掛ける会社を複数ピックアップして比較・検討
- リフォームでスマートハウスにする場合も、断熱性や気密性に注意
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