住まいの省エネで暮らしが変わる
省エネ性能の高い家は、標準的な家と比べて、どのように快適に過ごせるのでしょうか。ここでは省エネ住宅での暮らしをイメージしながら、メリットやデメリットなどを紹介。これから家選びをする方は必見です。
省エネ性能の高い住宅はこんなイメージ!
エネルギー効率のよい「設備」と「断熱」がポイントに
省エネ住宅は「なんとなくよさそう」という印象が先行しがちですが、具体的にどのような工夫やポイントがあるのか、具体的に見ていきましょう。
エネルギー効率のよい設備を備えて省エネ性能アップ!
冷暖房設備
…エネルギー効率のよいエアコンなどの冷暖房設備を設置します。エアコンの場合、使用状態に近い省エネ性能を表すAPF(通年エネルギー消費効率)という指標があり、APFが大きいほど、効率よくエアコンを使用することができます。
給湯設備
…エコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器でお湯を沸かしたり、保温効果の高い断熱浴槽を採用したりして、給湯のためのエネルギー消費量を削減します。
換気設備
…外気を室温に近い温度にして取り入れる熱交換換気設備は、換気による室内の温度変化を抑えられるので、効率よく冷暖房を使用できるようになります。
照明設備
…LED電球は省エネ性が高く、従来の白熱電球よりエネルギー消費量を4分の1以下に抑えられます。このほか、人感センサーや調光器具を導入して効率的に照明のオンオフや明るさの増減をコントロールすることも、エネルギー消費量の削減につながります。
太陽光発電設備
…太陽光エネルギーを使って発電した分を、エネルギー削減量として消費量から差し引くことができます。蓄電池も設置すると、さらにエネルギー消費量の削減効果がアップします。
高断熱の住宅は、冷暖房を効率よく使用できる!
断熱材
…外気に接している床・外壁・屋根などを断熱材で隙間なくすっぽりと包み込み、住宅全体の断熱性を高めます。これによって外気温の影響を受けにくくなり、エアコンなど冷暖房の使用を減らすことができます。
窓
…家の中でも、特に熱の出入りが多いのが窓。木製または樹脂製のサッシや、複層ガラスで断熱性を高めた高断熱窓によって、室内の快適な空気が屋外に流出するのを防ぎます。
庇や軒
…屋根部分から張り出した庇や軒があると、夏は強い日射を遮り、冬は暖かな日射を室内に取り込むので、冷暖房の使用を抑えながら、快適に過ごす効果が期待できます。
省エネ住宅で暮らすとこんなメリットが!
快適な暮らしや光熱費の節約、健康などに効果あり
エネルギー消費量が少ない省エネ住宅での暮らしは、次のようなメリットがあります。
一年中快適に過ごせる
…高断熱の省エネ住宅は家全体が魔法瓶のような状態になっており、室温を一定に保つことができます。そのため普段から冷暖房をあまり使わなくても心地よく、暑さや寒さが厳しいときだけ効率よくエアコンを使用すれば、一年中快適です。
光熱費の節約になる
…冷暖房の効率が高く、エアコンなどの使用量が少なくて済むので、光熱費の節約につながります。電気代やガス代の値上がりが続いている現在、我慢せずに節約できるのは嬉しい限り。
夜ぐっすり眠れる
…夜間も室温が快適だと、寒くてなかなか寝付けない、朝方に寒くて起きてしまうという心配がなくなります。睡眠の質が向上するので、朝の目覚めもスッキリ。
結露が発生しにくい
…高い断熱性で外気との温度差が生まれにくいため、結露が発生しにくくなります。結露がないことでカビやダニの発生リスクも抑えられ、ぜんそくなどのアレルギーになりにくいなど、健康にもよい影響が期待できます。
ヒートショックが起こりにくい
→家のすみずみまで室温が一定なので、冬の廊下と浴室の温度差などが原因で起こるヒートショックのリスクも軽減されます。
省エネ住宅で注意したい点とは?
汚れた空気が溜まらないように、24時間換気は必須
省エネ住宅は上記のような多くのメリットがある一方で、隙間なく密閉して空気の出入りを少なくするので、室内の空気の汚れやにおいが気になりがち。さらに冬場の室内は暖かいですが、空気が乾燥しやすいデメリットもあります。
気持ちよい室内環境を維持するために、24時間換気システムで常に新鮮な空気を取り入れ、冬場の空気の乾燥には加湿器などを使って対策しましょう。
評価書で省エネ性能を詳しくチェック!
ラベルとセットで発行され、省エネ性能の詳細を知るのに役立つ
省エネ性能ラベルの表示制度では、「省エネ性能ラベル」とあわせて、「エネルギー消費性能の評価書」も発行されます。
エネルギー消費性能の評価書とは
その住宅の概要と省エネ性能評価を詳しく記した書類です。住宅会社から物件を案内してもらうときや、契約の際に、評価書を見ながら省エネ性能の説明を受けられます。
省エネ性能ラベルとエネルギー消費性能の評価書は、再販時の省エネ性能の広告表示に使用できるよう、購入後はきちんと手元に保管しておきましょう。
まとめると…
省エネ性能で住宅の選択が変わる。快適な暮らしのためにラベルを確認!
物件探しで価格や間取りをチェックするように、省エネ性能を確かめることも、住宅の良し悪しを判断する要素の一つです。
これから長く住むマイホームですから、快適な暮らしや光熱費の節約、健康などのために、省エネ性能ラベルを確認してくださいね。
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最終更新日 2024年12月02日
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