住まいの劣化…我が家は大丈夫?

快適な暮らしを維持する上で、大切なのが「住まいの寿命」。住まいは年月とともに劣化が進み、不具合などで使いづらさや住みにくさを感じるようになってしまいますが、住まいの寿命を縮める原因を知り、劣化や不具合の早期発見・早期修繕につなげましょう。
我が家の寿命は何年くらい?
木造は約30年、鉄骨造は40~50年が目安

“人生100年時代”と呼ばれる現代ですが、人間に寿命があるように、住まいにも寿命が存在します。
一般的に、住まいの寿命(物理的耐用年数)の目安は木造住宅で約30年、鉄骨造住宅で約40~50年。日本では新築マイホームを取得する世帯主の約半数が30代ですので(※)、世帯主の寿命より先に住まいが寿命を迎えることになります。
ただ、この寿命はあくまで目安であり、実際にその住まいに住み続けられるかどうかは、建物の基本性能はもちろん、劣化の度合いによってまちまちです。
※国土交通省住宅局「住宅市場動向調査報告書(2020年度)」より
住まいを劣化させる主な原因は?
暮らしの中に潜む原因が建物の寿命を縮めていく

住まいの寿命に大きく関わってくるのが、建物の傷みやダメージなどの劣化です。その主な原因を見ていきましょう。
(1)経年
住宅を構成する木、金属、樹脂といった素材が年月とともに老朽化して、傷みや不具合が生じるようになります。
特に、紫外線や風雨にさらされている屋根や外壁は経年劣化のスピードが速く、築7~8年くらいで色褪せや傷みが見られることがあります。建物内部では水を使う浴室や洗面所の床などを中心に腐食が起こりやすく、築10年くらいから劣化が進むケースが多いようです。
(2)雨漏り・漏水
屋根や外壁のヒビ割れや隙間から雨水が内部に侵入するのが「雨漏り」、給排水管の亀裂などで水が漏れるのが「漏水」です。
雨漏りや漏水は天井裏や壁の内側といった見えにくい場所で発生することが多く、知らず知らずのうちに大量の水が配線まわりにたまって漏電したり、湿気による腐食やカビ被害が生じることもあります。
(3)湿気
湿気といえばジメジメした梅雨時や夏場をイメージしがちですが、冬の窓まわりにビッシリとついた結露も湿気の原因となります。
換気をして風通しをよくする、エアコンの除湿機能を使うといった対策で湿気を逃すことができますが、そのまま放置すると、カビくさい臭いや内部の腐食につながります。
(4)シロアリ
古くから日本に棲息するシロアリ(ヤマトシロアリ、イエシロアリ)は、湿った環境を好み、湿気のたまりやすい床下や水まわりなどの木材をエサにすることで住宅に被害を与えます。春先から梅雨時にかけて家のまわりでシロアリの羽アリを見かけたり、床に木くずが落ちていたりすると、シロアリの被害が進んでいる可能性があります。
(5)その他の原因
海沿いの立地であれば、海水や潮風がもたらす塩害によって屋根や外壁のサビや腐食が起こりやすくなるなど、立地特有の原因もあります。また意外なところでは、ハクビシンやアライグマなどの動物が屋根裏に侵入して巣づくりをしたり、繁殖力の強いツタなどの植物が外壁にびっしりと生えたりして、建物を傷めることも。
ちょこっとメモ!
劣化トラブルは連鎖しやすい!小さなサインを見逃さないで

住まいが劣化する原因は重なり合う部分が多く、当初の原因は一つだけでもだんだんと連鎖的に原因が増えてしまうことがあります。
経年劣化で屋根に生じたヒビ割れから雨水が侵入して雨漏りとなり、湿気がたまって腐食やカビ、シロアリ被害を招くなど、劣化の原因が増えれば増えるほど、トラブルが多発して建物に与えるダメージも大きくなります。日頃から掃除をしてキレイを保つとともに、小さな劣化を見つけたら、早めに対処してトラブルの拡大を防ぎましょう。
劣化を放置するとどうなる?
時間が経てば経つほど修繕費や健康被害のリスクが増加

住まいの不具合や劣化を見つけても、それが微細なものであれば「生活に支障がないから」と対処を先延ばしにしてしまいがち。しかし、上記のように劣化の原因は連鎖しやすいため、時間が経てば経つほど被害が増えて対処が困難になります。
屋根に生じた小さなヒビ割れは簡単に補修できますが、そのまま放置して雨漏りや湿気により躯体まで腐食が及ぶと、建物の歪みや倒壊を防ぐために大がかりな修繕が必要となり、費用も高額になってしまいます。さらに、たまった湿気でカビやダニが発生するとアレルギーなど健康に影響を与えるおそれもあります。
安全で快適な暮らしのためにも「住まいの不具合や劣化は放置しない」、これが鉄則です。
専門家に点検・補修を依頼する場合の注意点
国の登録業者や、新築の瑕疵担保責任をチェックしよう

セルフチェックで見つけた住まいの劣化について、専門家に詳しい点検や補修を依頼するときは、次の点に気を付けてください。
・一部の悪質な工事業者に注意
住宅の補修工事を手がける業者(リフォーム会社など)の中には、実際には必要のない複数の工事を勧めたり、しつこい勧誘を行ったりするケースがあり、消費者庁が注意を呼び掛けています。「おかしいな」と思ったら、地域の消費生活相談センターや、「住まいるダイヤル(電話相談窓口:0570-016-100)」に相談してください。
・国土交通省による業者登録制度も
2014年に創設された「住宅リフォーム事業者団体登録制度」は、消費者が安心してリフォームを行うことができるように、国土交通省が定めた要件を満たす住宅リフォーム事業者を登録・公表する制度です。登録住宅リフォーム事業者団体一覧は、国土交通省のWEBサイトから確認できます。
(参考)国土交通省「住宅リフォーム事業者団体登録制度」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000090.html
・新築なら10年間の瑕疵担保責任が適用
新築住宅の場合、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」による瑕疵担保責任があり、引渡しから10年間は構造の不具合や雨漏りについて住宅会社や売主に無償で対応してもらえます。
まとめると…
住まいの状態を確認しよう!セルフチェックなら手軽で簡単

住まいを長持ちさせて快適に暮らすには、日頃から住まいの状態に目を配り、不具合や劣化がないかチェックする習慣をつけることが大切。中には専門家でないと判断が難しい劣化もありますが、住みながら変化を感じ取ったり、大掃除などのついでに目視をしたりすることが異常の早期発見・早期補修につながります。
次のページからは、具体的に劣化が起こりやすい部分別にチェックしたいポイントを紹介します。
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最終更新日 2025年4月1日
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