害鳥の特徴と対策:カラス
最近、都市部でカラスの生息数が増加し、多くの被害が生じていることはよく知られています。
日本にいるカラスを大きくわけると、主に都市部に住むハシブトガラスと、郊外や農村などに住むハシボソガラスの2種類がいます。鳥類の中でも、カラスは特に記憶能力と学習能力にすぐれているため、自治体でも対策に手を焼いている場合が少なくありません。
寿命
カラスに限らず、野鳥のほとんどは成鳥になる前に病気や事故で死亡します。その中からある程度まで大きくなったカラスは、約8~9年生きるとされています。
繁殖サイクル
カラスの繁殖は1年に1回、春から夏にかけて行われ、1回の産卵で3~5個の卵を産みます。3~4月頃から巣づくりが始まり、5~6月に産卵、孵化したヒナは6~7月に巣立ちを迎えます。ハシブトガラスの場合、生後3年程度で繁殖可能になるといわれています。
発生場所
繁殖期の春・夏は、公園などの大きな樹木や電柱につがいで巣をつくり、秋・冬の非繁殖期は集団で森の中を寝場所にします。行動範囲は寝場所から約10キロです。
主な被害
ゴミ収集場所の生ゴミの飛散
エサとなる生ゴミをあさるため、路上のゴミ収集場所や、飲食店のゴミ箱などを荒らします。ゴミ箱を蓋付きのものにしても、くちばしで器用に蓋を開けてゴミをあさるカラスもいます。
鳴き声や足音の騒音
夜中や明け方に発する大きな鳴き声や、屋根の上をトントンと跳ねる音がうるさいと感じることがあります。
育児中の威嚇・攻撃
産卵からヒナが巣立つまでは、カラスが卵やヒナを守るために非常に攻撃的になります。この時期、巣の半径20~100メートルの縄張りに人が侵入すると、「カッカッカッカ」という威嚇音を発し、それでも人が立ち去らないと、後ろから引っかいたり蹴ったり攻撃を仕掛けてきます。
物を盗む
カラスは木の枝や針金ハンガーなどを好んで巣づくりの材料にするため、ベランダの針金ハンガーが盗まれることがあります。
家庭で行うカラス対策
カラスに狙われやすいものを屋外に放置しない
庭や軒下、ベランダなどカラスが侵入しやすい場所に、食べ物やペットのエサを放置しないようにしましょう。洗濯物を干す時は、使っていない針金ハンガーを室内に取り込むか、プラスチック製ハンガーに交換するなどして対処します。
カラス用の忌避グッズを設置する
カラスは警戒心が強いため、通い慣れたエサ場でもいつもと違う物などが置いてあると、用心して近づきません。この習性を利用して、ホームセンターなどで販売されている忌避グッズ(大きな目玉がついているものやキラキラ光るものなど)を設置してカラスよけにします。ただし学習効果が高いカラスは、それが安心とわかると侵入を繰り返すため、2つ以上の忌避グッズを1週間おきに交換したり、位置を変えたりします。
巣やヒナに近寄らない
近所の電柱などにカラスが巣づくりをして産卵したら、ヒナが巣立つまでの間、親ガラスの威嚇・攻撃を避けるために、巣の周囲には近寄らないようにしましょう。巣に近寄らない限り、カラスが人を襲うことはありません。
地域で行うカラス対策
ゴミ収集場所のマナーを徹底する
カラスのゴミあさりを防ぐために、ゴミ出しは収集日当日の決められた時間に行います。収集場所に飛散防止ネットやカラスよけサークルを設置するのも効果的ですが、きちんと固定しないとカラスがネットやサークルを突破してしまう可能性があるので注意しましょう。
ちょこっとメモ!
専門業者に駆除を依頼する方法もあります
土鳩(ドバト)と同様、カラスも鳥獣保護法によって、むやみに傷つけたり巣や卵を無許可で撤去したりすることはできません。ただし家の近くなどにカラスが巣をつくって威嚇・攻撃がひどい場合などは、専門業者による駆除も検討しましょう。専門業者は、自治体から有害鳥獣駆除の許可を得てから捕獲トラップなどでカラスを捕獲・駆除することもできます。
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最終更新日 2024年10月30日
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