「動線」に配慮してストレス軽減!
新築やリフォームの間取りを考える際、日々の暮らしに直結する家事動線や生活動線を気にする人は多いですが、意外と見落としがちなのが「来客動線」。お客様が家の中を快適に移動できるよう、来客のための空間を効率よく結ぶ動線を計画しましょう。
そもそも「動線」って何?
部屋から部屋へ移動するときの大切な経路
動線とは「家の中を、人がどのように行き来するか」をあらわした経路のこと。
キッチンや洗面室、ダイニングなどを移動しながら調理・洗濯・掃除をする「家事動線」や、朝起きて寝室からダイニングへ移動して食事を済ませ、洗面室で身支度を整えて外出する「生活動線」などがよく知られています。
これらの動線にムダがないように間取りを配置することで、家の中の移動がスムーズになり、快適な暮らしにつながります。
来客の移動にも「動線」を考える
「お互いに気まずい…」そんな来客動線の失敗例は
「家事動線」や「生活動線」と並んで、間取りを計画する際に気を付けたいのが、お客様が家の中を移動するための「来客動線」です。
玄関から上がったお客様は、廊下を通ってリビングや客間へと移動します。また、途中でトイレや手洗い場を利用することもあります。このような来客動線を考えずに間取りを計画すると、以下のような問題が生じるおそれがあるため注意が必要です。
玄関やリビングを通らないと浴室に行けない
部屋から浴室へ向かう際、玄関ホールやリビングを通らないといけない動線だと、お風呂あがりのラフな姿をお客様に見られたり、浴室から出られずに困ったりすることがあるかも知れません。
トイレの使用音やにおいが気になる
玄関ホールやリビングのすぐ近くにトイレがあると、来客時にトイレの使用音やにおいが気になりがち。
さらにリビングの開口部からトイレの出入りが見えるような配置も、双方が気まずい思いをすることがあります。
散らかった玄関やキッチンを見られる可能性も
玄関からリビングや客間への移動中に、玄関に脱ぎっぱなしの靴や、汚れた食器がたまったキッチンのシンクなどがお客様の目に触れることも。
また、脱衣洗面室で部屋干しをする場合、お客様が手洗いのために立ち寄った際、洗濯物が丸見えになってしまいます。
図面を見て来客動線をチェック!
家族の生活動線と来客動線のバッティングは避けたい
上記で取り上げたような失敗は、お客様の来客動線と、家族のプライベートな生活動線がぶつかることで発生します。
そこで住まいの間取りを検討するときは、設計の担当者に起きてから寝るまでの家族の動きや来客頻度などを伝え、提案された図面を見て来客時の動線をシミュレーション→お客様と家族1人ひとりの動線が重なっていないかどうかをチェックしましょう。
ちょこっとメモ!
子どもの友人が遊びに来るなら…リビングイン階段の動線で親と顔合わせを
来客動線は、基本的には家族の生活動線とぶつからないことが望ましいのですが、子どもの友人がよく遊びに来る家の場合、玄関から2階の子ども部屋へ直行する動線だと、友人たちの出入りを親が把握しにくくなってしまいます。「親の知らないうちに、子ども部屋が溜まり場になっていた!」という事態を避けるためにも、できれば子ども部屋に行く前に必ずリビングを通る「リビングイン階段」の動線を採用して、子どもや友人と顔合わせをすることをおすすめします。
来客動線のよい住まいのアイデア
お客様が出入りする空間と、家族だけの空間を別々に
お客様の来客動線と、家族のプライベートな生活動線を分けるために、住まいに取り入れたいアイデアを紹介します。
2way玄関を採用する
2way玄関とは、来客時に使用する玄関(メイン玄関)と、日常で家族が使用する玄関(ファミリー玄関)に仕切りを設けた玄関です。家族用のファミリー玄関にはウォークスルータイプのシューズクロークがあり、帰宅するとシューズクロークに脱いだ靴やコートなどを収納してから、シューズクロークを抜けてリビングへと移動する動線になっています。
ふだんは玄関の仕切りを開け放って広々と使いつつ、来客があったときには仕切りでシューズクロークを隠し、お客様の目に触れないようにすることが可能。脱いだ靴や子どものおもちゃ、自転車などで雑然とした玄関になりがちな小さい子どもがいる家庭に特におすすめです。
玄関ホール付近に手洗いを設置する
玄関ホール付近に独立した手洗い場を設けておくと、来客時や帰宅時に手を洗うために脱衣洗面室に立ち寄ることなく、玄関を上がったらすぐに手を洗ってそのままリビングや客間にお通しすることができます。
脱いだ衣類などで散らかりがちな脱衣洗面室を見られずに済むほか、感染症対策にも有効な間取りです。
洗面室と脱衣室を分ける
脱いだ衣類や洗濯物などが気になる脱衣洗面室は、洗面室と脱衣室を分けることで、来客時もお互いに気兼ねなく手洗いを利用できるので便利。スペースの都合上、部屋を分けるのが難しい場合は、ロールスクリーンなどで簡易的に仕切れるようにしておくとよいでしょう。
まとめると…
暮らしの安心にかかわる動線。来客動線と生活動線がぶつかるのを避けて快適に
動線は、単なる人の動きを示す線ではなく、住まいの快適性を左右するポイントです。いつでもお客様を家の中にお通しできるように、来客動線と生活動線がぶつかり合わないような動線に配慮しましょう。
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最終更新日 2024年12月02日
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