eスポーツって何?
放課後や休日に友達と家庭用ゲーム機で遊んだり、スマホのゲームアプリに熱中したり…と、ゲームを趣味・娯楽として楽しんだ経験を持つ人も多いのではないでしょうか。そのゲームを取り巻く環境がこの数年で劇的な変化を遂げ、「eスポーツ」と呼ばれる新たなスポーツエンターテインメントとして注目されるようになりました。プレイヤーとして参加するだけでなく、大会やイベントでプロゲーマーの高度なプレイを観戦・視聴できるのもeスポーツの大きな特徴です。
eスポーツは“ゲームを使った対戦競技
ゲームの腕前を競い、勝敗をつける
eスポーツとは「Electronic Sports(エレクトロニック・スポーツ)」の略称で、PCゲームや家庭用ゲーム、モバイルゲームといったゲームを使って勝敗を競うものです。
頭脳を使うゲームでありながらスポーツと呼ばれることを不思議に思う人もいるかも知れませんが、もともと英語のSportsには「運動」のほかに「競技」という意味も含まれています。個々のプレイヤーの戦略やテクニック、瞬時の判断力、操作力などによって勝敗が左右される対戦ゲームは、サッカーや野球といった運動競技のように多くのファンを魅了しています。
eスポーツ人気を印象付けるトピックとして、海外のeスポーツ大会の高額な賞金や、プレイヤーの人数などもニュースを賑わせています。代表的なeスポーツ大会の中でも、特に高額な賞金がかけられることで知られる「Dota 2」の2019年世界大会の賞金総額は3,000万ドル(約32億円)を突破。さらに人気ゲームタイトル「League of Legends」のプレイヤー数は1億5,000万人ともいわれています。
eスポーツの成り立ちと歴史
海外で発展し、日本ではここ数年でブームに
プレイヤーが集まってコンピューターゲームで対戦する「ゲーム大会」そのものは、1980年代から各地で行われていましたが、その多くはゲームメーカーによる販売促進や、プレイヤーの交流・親睦が主な目的でした。
ところが1990年代後半になってインターネットが普及すると、PCゲームが主流であった欧米や韓国ではインターネットで各国のプレイヤーと対戦して誰が一番強いかを競うようになり、人気が急速に拡大。2000年代にはWCGC (World Cyber Games Challenge)などの高額賞金をかけた大規模な大会やプロリーグが開催されるようになりました。
一方、日本では家庭用ゲームやゲームセンターのアーケードゲームが人気を博しており、PCゲームが主流のeスポーツは2000年代末頃まで「知る人ぞ知る」世界でした。けれども2010年代に入ると、海外の人気ゲームの大会が日本国内でも開催されるようになり、海外での日本人プロゲーマーの活躍もあってeスポーツの知名度が徐々にアップ。2018年にはユーキャン新語・流行語大賞のトップ10入りを果たしました。
ちょこっとメモ!
全世界のeスポーツファンはおよそ4.5億人! 日本でもファンが拡大中
2019年にeスポーツの大会に足を運んだり、インターネットの動画配信サービスで試合を視聴したファンは全世界で約4.5億人となっており、前年2018年と比べて15%増でした(※1)。
日本の動きをみると、同年にeスポーツの試合を観戦・動画視聴した人は約483万人、前年比126%で、世界的に見てもファンが急速に拡大していることが分かります(※2)。
※1出典:Newzoo ※2出典:KADOKAWA Game Linkage
代表邸な競技ジャンルとゲームをチェック
マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)
プレイヤーが2つのチームに分かれ、味方と作戦を立てながら敵の本拠地を破壊するジャンルです。MOBAはeスポーツの中でもトップクラスの人気ジャンルで、代表的なゲームタイトル「League of Legends」は世界で最もプレイヤー数が多いといわれています。
・主なゲームタイトル
League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド、略称LoL)、Dota 2(ドータ・ツー)、SMITE(スマイト)
シューティング(FPS・TPS)
MOBAと並んで人気が高いジャンルのシューティングは、武器や道具を使って敵と戦うジャンルです。主人公の1人称視点でキャラクターを操作するFPS(ファーストパーソンシューティング)と、3人称視点でキャラクターを操作するTPS(サードパーソンシューティング)があります。
・主なゲームタイトル
Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)、Fortnite(フォートナイト)、Overwatch(オーバーウォッチ)、PLAYERUNKNOWN’ S BATTLEGROUNDS(プレイヤーアンノウンズ・バトルグランズ、略称PUBG)
デジタルコレクティングブルカードゲーム(DCCG)
2人のプレイヤーがデジタルカードを用いて対戦するジャンルです。日本では以前からリアルなカードを使ってプレイする「トレーディングカードゲーム」(「ポケモンカード」など)が人気ですが、このトレーディングカードゲームをデジタル化したものがDCCGです。
・主なゲームタイトル
Hearthstone(ハースストーン)、Shadowverse(シャドウバース)
リアルタイムストラテジー(RTS)
プレイヤーが軍隊の指揮官などの第三者視点に立ち、リアルタイムで複数のキャラクターを操作しながら敵と戦うジャンルです。
・主なゲームタイトル
StarCraft Ⅱ(スタークラフト・ツー)、Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)
スポーツゲーム
リアルスポーツをゲームとして対戦するジャンルで、サッカーやバスケットボールといった球技が人気を集めています。
・主なゲームタイトル
FIFAシリーズ、NBA 2Kシリーズ、ウイニングイレブンシリーズ
格闘ゲーム
プレイヤーがキャラクターを操作し、対戦相手と格闘技で戦います。日本では「格ゲー」とも呼ばれて人気が高く、現在、多数の日本人プロゲーマーが活躍しているジャンルです。
・主なゲームタイトル
ストリートファイターシリーズ、鉄拳シリーズ
モバイルゲーム
eゲームで使用されるゲームはPCゲームが中心ですが、近年はスマートフォンを使って対戦するモバイルゲームも増えています。
・主なゲームタイトル
モンスターストライク、Clash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)、モバイルレジェンド:Bang Bang(略称モバレ)
まとめると…
eスポーツの多彩な楽しみ方とは…プレイや直接観戦、動画視聴まで
ゲームが「遊び」から「競技」へと進化したeスポーツ。豊富なジャンルやゲームタイトルをプレイできるのも魅力ですが、自分ではプレイせずにプロゲーマー同士の試合を「観る」専門のファンも多く存在しています。
プロゲーマーの試合を観戦するには、大会の会場に足を運んだり、「Twitch」や「YouTube」といったインターネット動画配信サービスで視聴できます。また、ゲーム動画の1ジャンルとして、ストリーマー(配信者)がゲームをプレイしながら実況を行う「ゲーム実況」もあり、こちらも人気を集めています。
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最終更新日 2024年10月30日
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