お客様も家族も居心地のよい間取りやコーディネートのコツを紹介!いつでも人を呼べる・呼びたくなる家のつくり方

来客を迎える「リビング」の条件

2023年10月12日 更新
来客を迎える「リビング」の条件

リビングは、家族の団らんやくつろぎの場所であり、来客時にはお客様を通して飲食や会話を楽しむ場所でもあります。お客様と家族にとって居心地のよいリビング空間をつくるには、どうすればよいのでしょうか。

リビングがおもてなしの空間に

来客も家族も居心地のよいリビングを演出

リビングがおもてなしの空間に イメージ

昔の家には来客用の客間や応接間があり、そこでお客様をもてなすのが一般的でした。
来客のないときに客間や応接間を家族が使用することはなく、いわば「家族のためのスペース」と「来客のためのスペース」がハッキリと分かれていたのですが、今どきの新築住宅では来客用のスペースを設けず、来客があればリビングで応接するスタイルが主流となっています。
これから新築やリフォームをするなら、リビングは家族のくつろぎの空間であることはもちろん、お客様にとっても気持ちよい空間にしたいものです。

リビングで応接するメリットは?

家族の生活空間でお客様と過ごせる

リビングで応接するメリットは? イメージ

来客用の客間や応接間をつくらず、リビングでお客様をもてなす場合、次のようなメリットがあります。

住まいの中心で応接できる

家族が長い時間を過ごすリビングは、他の部屋よりも広く、日照や窓からの眺めなどにもこだわって設計される場合がほとんど。住まいの中心の場所として、お客様にも居心地よく過ごしてもらえます。

キッチン・ダイニングとの動線がよい

キッチンやダイニングに隣接しているため、食事やドリンクをスムーズに提供できます。友人を招いて気軽にお茶を楽しんだり、ホームパーティーで手料理を振る舞ったりするときにも便利。

コストの節約になる

新築やリフォームは部屋数が増えるほど工事費用も高額になるため、来客用の応接間や客間をつくらなければコストの節約になります。また、部屋を削った分リビングを広くするなど、面積にゆとりも生まれます。

リビングで応接するデメリットは?

生活感が出やすく、宿泊スペースの確保も難しい

リビングで応接するデメリットは? イメージ

リビングでの応接は、ふだんの生活の延長としてお客様をおもてなしできますが、次のようなデメリットもあります。

日常的に散らかりやすい

家族の生活の場である以上、モデルルームのように生活感のない部屋にするのは難しいもの。リビングが散らかっているときに急な来客があると、焦ってしまうことがあるかも知れません。

キッチンが目につきやすい

リビングとキッチンの位置関係によっては、調理中のキッチンの汚れや冷蔵庫の中など、お客様に見せたくないものが丸見えになることがあります。

お客様を泊める場所がない

お客様は泊めない、あるいはリビングに雑魚寝でOK!という場合は問題ありませんが、目上の方などが宿泊する可能性があれば、専用の客間(ゲストルーム)があったほうが安心です。

スッキリと片付くリビングの収納計画

リビングで使う物と使用範囲に応じて収納を用意

スッキリと片付くリビングの収納計画 イメージ

家族が使う日用品、子どもの学校のプリント類、読みかけの本、膝掛けやストールなど、雑多な物が集まりやすいリビング。物があふれてゴチャゴチャした印象にならないよう、スッキリと片付けやすい収納を計画しましょう。

リビングで使用する物をチェック!

一般的に、収納スペースは家全体の面積の10~15%が理想と言われています。多くの物を片付けるために「収納は大きいほどよい」と考える人もいますが、大きすぎる収納はリビングを圧迫し、ゆとりやくつろぎを奪ってしまいます。
過不足のない収納を計画するために、まずはリビングで使用する物と、その使用頻度を洗い出し、適切な収納サイズを割り出しましょう。

よく使う物ほど、使う場所の近くに片付ける

TVやエアコンなどのリモコン、爪切り、筆記具のように、頻繁に取り出して使う日用品は、リビングテーブルの引き出しや、ソファのサイドテーブルやサイドポケットなど、すぐに手が届く場所に「定位置」をつくることで取り出しやすく、使用後も片付けやすくなります。
反対に、使用頻度の低い家電の取扱説明書、日用品のストックなどは、扉付きのリビングクローゼットなどを「定位置」にしましょう。使用する際はクローゼットへ足を運び、出し入れする手間がかかりますが、集中的に収納できるのでリビングの印象がスッキリとします。

散らかりやすい物の仮置き場所があると◎

リビングは、家族が出入りするたびに読みかけの本や書類、玄関ポストの郵便物や新聞などが持ち込まれ、散らかる原因となります。
こうした物を一時的に収納するラックを配置すると、急な来客時にも慌てずに済みます。

物を「隠す」「視線を外す」対処も有効

多少の散らかりも、お客様の目に入らないようにすれば安心

物を「隠す」「視線を外す」対処も有効 イメージ

散らかったリビングや、キッチンの汚れなどが目につくと、家の人もお客様も気まずい思いをすることも。見せたくない物を「隠す」または「視線を外す」ことで、生活感をカバーしつつ、気持ちよくお客様をお迎えできます。

ソファの配置を工夫する

ソファに座ったときに、物であふれたオープンラックや子どものおもちゃ箱など、ゴチャゴチャした場所が見えるとリビング全体が散らかった印象になります。このような物や場所が見えないよう、ソファ配置を工夫しましょう。
また、視界に窓や背の高い観葉植物があると自然とそこに目がとまるので、見せたくない物から視線を外す効果が期待できます。

キッチンのレイアウトに注意

キッチンとリビング・ダイニングが壁などで仕切られていないオープンキッチンは、調理時の手元の汚れが目につきやすいのが難点。手元を隠すなら、カウンターで手元が隠れる対面式キッチンや仕切りのある独立型キッチンなどがおすすめです。
食材や調味料が詰まった冷蔵庫も、開閉のたびに中が丸見えになるのは気まずいもの。リビングのソファから冷蔵庫が見えにくい位置になるよう、キッチンのレイアウトに注意しましょう。

おもてなしの格が上がるリビングのアイデア

「こんな空間にお招きしたい!」憧れのリビング

おもてなしの格が上がるリビングのアイデア イメージ

リビングの間取りによって、そこでくつろぐスタイルや楽しみ方も変わってきます。
家族の要望、来客の頻度などに応じて、みんなが過ごしやすい間取りを検討してみましょう。

サンクンリビング イメージ

サンクンリビング

サンクンリビングとは、周囲より床が低くなっているリビング空間のこと。ピットリビング、ローリビングなどとも呼ばれます。
段差をつけてリビングの床を低くすることで、ソファに座ると視線が低くなり、包まれるような安心感や心地よさが得られます。また、床が低くなる分、天井が高くなるため、空間の広がりも感じられます。
リビングでのくつろぎを重視し、お客様と落ち着いた会話を楽しみたい場合におすすめのスタイルです。

リビングデッキ イメージ

リビングデッキ

リビングとデッキをつないで、リビングの延長のように使用するスタイルです。デッキから庭を眺めたり、BBQをしたりと、リビングとデッキを行き来しながら活動的に楽しめます。小さい子ども連れのお客様なら、親の目が行き届くデッキで子どもを遊ばせることもできるのも魅力です。
リビングとデッキの段差をなくし、床色を同色にすると、空間のつながりや広がりが感じられ、さらに魅力がアップ。

畳コーナー イメージ

畳コーナー

遠方の両親、独立した子や孫、友人などが頻繁に訪れて宿泊をともなう場合は、宿泊が可能な客間(ゲストルーム)があると便利です。
独立した客間を設けるのが難しいようであれば、リビングの一角に4.5畳くらいの畳コーナーをつくるのがおすすめ。来客時は障子やロールスクリーンで仕切って客間として利用し、ふだんは仕切りを解放してリビングの延長として利用します。

まとめると…まとめると…

気持ちよいリビングでお客様に応接。家族も来客も楽しく過ごせる空間に!

気持ちよいリビングでお客様に応接。家族も来客も楽しく過ごせる空間に! イメージ

それまで来客が少なかった家でも、新しい家になると、親族や友人、子どもの学校関係者などをお招きするようになるケースは意外と多いものです。新築やリフォームでリビングを計画するときは、家族全員の過ごしやすさに加えて「お客様をおもてなしする」視点も加えたいものですね。お客様を気持ちよく迎えるリビングをつくって、楽しい時間を過ごしましょう。