不動産投資の仕組みが知りたい!2種類の収益とは?

2021年7月30日

資産を形成するために投資を始める人は、少なくありません。ただ、自分が選んだ投資がどういったもので、どういう仕組みとなっているのかをしっかり理解しておく必要があります。不動産投資は、リスクを把握することで、安定した収入が得られる投資の一つです。今回は、不動産投資の2種類の収益の特徴や、投資物件の種類などについて紹介します。

不動産投資の概要や目的

不動産投資とは、建物を建てることのできる土地や、マンションやビル、一軒家などの不動産に対して投資を行い、その不動産を運用することで利益を得る投資の方法です。投資の種類は不動産投資に限らず、FXや株式投資、外貨預金や仮想通貨などさまざまなものがあります。FXや株式投資は、大きな利益が得られる可能性はありますが、その分リスクが非常に高い投資です。失敗してしまえば、大きな損失に繋がります。銀行の預貯金や定期預金は、資産を失うリスクは非常に低いのですが、利子から得られるお金は少ないです。

不動産投資は、他の投資方法と比べるとバランスの取れたミドルリスク・ミドルリターンな投資方法となっています。そのため、投資未経験な人であっても、始めやすい傾向にある投資方法なのです。不動産投資をする人の多くが、老後資金の確保を目的として取り組んでいます。老後の資金不足といえば、2019年に金融庁が報告した「老後2000万円問題」です。男性65歳、女性60歳の無職の夫婦が、30年間生活するときの家計の収支が月々約5.5万円の赤字になってしまうという結果が出ました。年金だけでは生活ができなくなってしまうため、若いうちからまとまった資産を形成する必要があるのです。また、老後の資金だけではなく、生命保険の代わりに不動産投資に取り組む人も少なくありません。

収益を得る仕組み1.家賃収入

不動産投資の収益を得る仕組みの1つ目は、家賃収入です。自身が購入した不動産を借りたい人に貸すことで契約者から収入を得ることができます。自身が大家となるわけです。家賃収入は定期的に収入を得ることができるので、インカムゲインに分類されます。たとえば、3000万円で購入したマンションを月々10万円で貸した場合、年間で120万円の家賃収入を得られます。3000万÷120万=25ですから、マンションを購入して25年が経てば投資金額を上回る収入を得られるということになります。

購入したマンションなどの物件を保有しているだけで、月々決まった金額の収入が安定して得られるところが家賃収入の大きな魅力となっています。ただ、家賃収入=利益と考えてはいけません。物件を購入した場合にも経費が発生するのです。物件にかかる経費としては、共有スペースにある電球の交換やエレベーターの保守点検などにかかる管理費があります。また、10年~15年くらい経過したときに建物の老朽化を抑えるために行う大規模修繕にかかる修繕費もあるのです。家賃収入から、こうした経費を差し引いたものが利益となります。

収益を得る仕組み2.売買益

不動産投資の収益を得る仕組みの2つ目は、売却益です。ただ、不動産投資のなかでも損失を被るリスクが非常に高いため、初心者向きとは言い難い方法となっています。売却益とは、自分が物を買ったときよりも、高い値段で売ることができたときに得られる利益のことです。物件を売買して得られた金額となるため、キャピタルゲインに分類されます。りんごを60円で購入して、100円で売ることができれば、40円の売却益を得たことになります。これを不動産で行うと、大きな金額の売却益を得ることになるのです。

たとえば、1500万円のアパートを購入して、2000万円で売ることができれば、売却益は500万円となります。もし、購入した日から短期間で売却できれば、すぐに利益を得ることができて魅力的に感じるかもしれません。しかし、物件の売買には、景気の変動などのあらゆる要素が関わってきます。高く買って安く売り、損をしてしまう可能性があるので十分注意しましょう。

投資物件の種類を知ろう!

投資を行う物件には、需要が高いものや低いもの、初心者向きのものやそうでないものがあります。まず、需要が高く、借りたい人が多い傾向にあるのが、マンションやアパートです。そういった人気のある物件を棟ごと購入して貸し出すのが、一棟マンション投資・一棟アパート投資となります。部屋数が多ければ、それだけ多くの収入を得ることはできますが、初期費用が非常に大きくなってしまうので初心者向きとはいえない投資です。

初期投資の低さでいえば、戸建て投資があてはまります。アパートやマンションではなく、一戸建ての物件を購入して貸し出す方法です。多くの場合、新築ではなく中古の戸建ての物件を購入することになるので、費用を抑えて始められます。ただ、あまりにも古い物件は、大規模なリフォームで多額の費用がかかってしまうこともあります。

区分マンション投資は、先に紹介した2つの投資方法の良いとこ取りな投資方法となっており初心者向きです。マンションの一室を保有して、その部屋を貸すことで収入を得る方法で、ワンルーム投資とも呼ばれています。ワンルームのみの購入となるので、購入するときの初期費用を少なくすることが可能です。利便性の高いアパートやマンションのワンルームであれば、非常に需要も高くなります。しかし、借り主が退居すれば家賃収入はゼロになります。税金や積立金などだけが発生して、赤字になる可能性もあるということを覚えておきましょう。

不動産投資は少額から始められるのはなぜ?

不動産投資は、不動産の種類ややり方を厳選することで少ない金額からでも始めることが可能です。先に紹介した区分マンション投資の中でも、中古のワンルームマンションを選ぶことで、非常に安く物件を手に入れることができます。また、不動産投資を行うときに利用することができるローンも存在するのです。さまざまな金融機関で不動産投資ローンが用意されており、安定して返済能力がある人がローンを組むときの審査に通りやすい傾向にあります。不動産投資ローンを組むことができれば、自己資金をはるかに上回る優良物件を購入することが可能です。

たとえば、3500万円の物件を、自己資金の700万円と不動産投資ローンを合わせることで保有できるため、自己資金の5倍の資産を手に入れられる可能性があります。自己資金が少ない状態から、大きな資産を生むことができるため、不動産投資はレバレッジ効果の高い投資といえるでしょう。他にも不動産投資信託を利用する方法があります。不動産投資信託は、実際の建物を購入する現物不動産投資ではなく、投資信託の運用を不動産中心にした金融商品のことです。多くの投資家から資金を集めて、資産を運用していき、運用で得られた利益が分配されます。どちらかといえば、株式投資に近いものがあり、安いものなら一口10万円ほどで投資に参加できる商品もあるので、気軽に取り組めるでしょう。

不動産投資を始めるメリット

不動産投資を始めることで、さまざまなメリットがあります。まずは、収入面に関してですが、購入した物件に空きがなく満室の状態を維持することができれば、賃貸契約者から継続的に安定して収入が得られます。勤めていた企業を退職したとしても、家賃収入を得ることができるので、私的な年金として老後の家計を潤してくれるでしょう。その他にも節税効果があり、現金の資産よりも同じ価値の物件の方が、課税評価額が低くなるので、相続税や贈与税が安くなります。所得税に関しても、不動産投資における損失を確定申告で損益通算することが可能です。所得から不動産投資の損失分を引くことができるので、所得税を抑えることができます。

さらに、ローンを組んで物件を購入した場合には、団体信用生命保険に加入することになります。この保険のおかげで、ローンを返済している期間に死亡もしくは高度障害者になったとしても、団体信用生命保険が残りのローンを支払ってくれるので安心です。遺族には家賃収入が得られる物件が残るため、生命保険代わりになります。

仕組みをよく理解してリスクを回避しよう!

今回は、不動産投資について説明しました。メリットが非常に多い不動産投資は少額からスタートすることができ、ローンを利用することで不動産投資の幅が広がります。どんな投資にもリスクはありますが、不動産投資の細かな仕組みをしっかりと理解することで、リスクを回避しやすくなります。老後の不安の解消や不労所得を得ることが可能となるので、しっかりと不動産投資を把握しましょう。

執筆者プロフィール

髙野 友樹
髙野 友樹様

公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。
不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。
現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。


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