【専門家執筆】輸入住宅を検討するなら知っておきたいメリット・デメリット

2018年4月7日

【専門家執筆】輸入住宅を検討するなら知っておきたいメリット・デメリット

輸入住宅は、今から40年程前にアメリカとの自動車の貿易摩擦の結果、アメリカのツーバイフォー工法及びその材料を日本に輸入することから始まりました。当時は、まさに日本の高度成長期で観光や仕事でアメリカやその他の国々の文化に触れることが多くなり、日本にはないアメリカのライフスタイルが流れてきました。それは、洋風のお洒落な外観、広いLDK、機能的・合理的なキッチン、ダブルハングの二重ガラスの木製窓、オーク材の19ミリの床、無垢のドア、暖炉、煙突、ケーシング、モールディング、螺旋階段等でした。

輸入住宅とは

初期の輸入住宅は、日本人のアメリカ文化の憧れが根底にあると思われます。私が西新宿住宅展示場(現在の東京都庁)にいた34年前は、全国から本物の輸入住宅を見に人が集まりました。その中でも多かったのは、アメリカの家に住み、そのライフスタイルを経験したいと思った医者、弁護士、自由業の人たちです。この流れは1998年のバブル崩壊まで続きます。
バブル景気が崩壊した後は、コストを下げるために輸入材料は使わずに、代替の材料を使ったものが流通し始めます。しかし、輸入住宅の本質は残りました。それは、若い家族のしっかりとしたライフスタイルです。現在、ツーバイフォーは日本の気候風土に合わせ、アメリカ仕様の100年耐久、地震に強い、耐火性能抜群、高気密住宅として日本でも大いに普及すると考えられます。

 輸入先による工法の違いについて

輸入住宅は、北米系のツーバイフォー工法、ティンバーフレーム工法、北欧系のパネル住宅に分けられるかと思います。北欧系住宅は、そもそも寒冷地に対応した設計のため、日本の台風、地震、シロアリの対応に問題があるでしょう。北米系の輸入住宅は、カリブ海沿岸部および東海岸の仕様であればハリケーン対策がされているため、日本でも台風などの対応が十分であると考えられます。これからは、リーズナブルな価格のツーバイフォーと高級なティンバーフレームに分かれるのではないかと思います。ティンバーフレームとは、年間7000棟程度しか建てられないアメリカ人憧れの高級住宅です。国産材大径材のヘビーティンバーで家を建てる人も多くなると思います。

 輸入住宅のメリット

これから輸入住宅を建てるメリットは、着々と進むライフスタイルの欧米化に合致していることです。50年100年の期間で考えると、現在アメリカで行われているホウ酸処理をしたツーバイフォー材、合板を使用することで、家が資産価値を持つのは間違いないでしょう。こうした家を建てることには、以下のメリットが挙げられます。
1.壁や床が一体構造のため気密性が高い(高気密)
2.壁構造のため断熱材がしっかりと入る(高断熱)
3.準耐火構造、耐火構造のため火災に対して安全性が高い(火災保険が安い)
4.箱構造のため地震、台風に強い(地震保険が安い)
5.釘や金物で緊結するので上手、下手なく品質が維持できる

 輸入住宅のデメリット

現状では、輸入材料という性質上、消耗部品のストックがない場合もあり、スムーズなメンテナンスが難しいことがあります。また、防火仕様の認定が取れないため、輸入住宅としてデザイン上重要な窓、飾、玄関ドアを輸入材料で作ることができません。
さらに、今までは日本の気候風土に合わないことがデメリットとして挙げられました。例えば、高温多湿の梅雨があり材木が腐ってしまうなど。しかし、アメリカの製材業者に確認したところ現在では、防腐、防蟻材のホウ酸で処理したスタッド(柱材)などの構造材を終身保障しているようです。

まとめ

これからの家作りで重要な欧米並みの100年持つ家、資産となる家の条件は以下の4つではないでしょうか。

1.全ての構造材をホウ酸処理する
2.100年先でも使える間取り
3.耐震等級3
4.高断熱、高気密
以上、1~4の内容をクリアして、なおかつコストパフォーマンスの高い輸入住宅は、本当に良い家作りとして認められるでしょう。これから、輸入住宅の購入を検討している方は上記のポイントも参考にしてみてください。

【著者プロフィール】

松岡在丸様

松岡在丸(住環境アドバイザー)
株式会社 ハウジング・ワールド 代表取締役
一般社団法人 22世紀日本の家協会 代表理事
欠陥住宅、病気になる家、25年で壊れる家などが氾濫する日本の家づくりに納得いかず単身欧米へ。現地で豊かな暮らしの源泉は、築100年は当たり前の耐久性、資産になる住宅を研究する。帰国後、『住宅で失敗しないための7つの自己防衛策』『女性のための賢いイギリス伝統の家作り』を出版し、同時に家作り勉強会を開催。延5000人以上に失敗しない家作りについて情熱を持って教えている。年間10棟限定で松岡自身がプロデュースして家を建てている。

 


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