【専門家監修】新築の内装にこだわる!力を入れるべきポイントは?

2019年9月1日

家を新築する際、せっかくなので内装にもこだわりたいと考える人は多いでしょう。内装というのは室内装飾のこと。中でも壁や天井、床などは大きな面積を占めるため、室内の雰囲気を左右する内装仕上げ材です。内装にこだわることによって、モダン、ナチュラル、北欧風といったさまざまなイメージをつくりあげることができます。この記事では、新築時の内装においてこだわっておきたいポイントを紹介します。

1.部屋のイメージを左右する壁材選び

部屋の印象を大きく左右するのは「壁」です。壁に使われる壁材にはさまざまな種類があり、代表的なのは「クロス」「木材(無垢材や合板)」「塗り壁」「タイル」の4つです。それぞれの特徴とメリット・デメリットを押さえておきましょう。まず、1つ目のクロスの材質にはビニール、紙、布などの種類があります。クロスはほかのものと比べてイニシャルコストが安い材料です。工事の工程が少なく、工事にかかる期間が短いのが特徴です。色や柄が豊富なので、選択肢が多いのもメリットの一つでしょう。なかには、消臭や防汚などの効果が期待できるものもあります。一方で、種類によっては安っぽく見えたり、ひっかき傷に弱かったりというデメリットもあるので注意しましょう。

2つ目の木材には、丸太から切り出した「無垢材」とベニヤを重ねて加工した「合板」があります。いずれも木のぬくもりを感じられる素材ですが、特に無垢材には高級感を演出しやすいという特徴があります。合板に比べて割高なため、コストを抑えて木の風合いを出したい場合は合板で代用しても良いでしょう。また、無垢材は調湿効果がある一方で、伸縮によって隙間が開いたり反ったりする場合がありますが、合板は狂いが少ないメリットがあります。無垢材は、手入れを重ねていくことで経年による味わいが出る材料でもあります。

3つ目の塗り壁は、昔ながらの和室に使われている壁材です。左官(職人)の腕に左右されやすいという難点はあるものの、経年劣化しづらく、質感を生かしたデザインを楽しめるのが特徴です。漆喰や土などの自然素材を主体にした材料の場合は、耐火性、調湿性に優れており、施工性を良くするために樹脂を混ぜた代用品の場合は、色数も多く、デザイン性や経済性に優れています。

4つ目のタイルは、耐水性・耐久性があり、かつ、デザインの美しさを楽しむことができる素材です。難点は、コストが高く、全面に貼ると重くなるため、壁に負担をかけてしまう点です。水回りなどの部分使いに向いている素材でしょう。壁の印象は素材によって全く違うものになるため、自分のイメージに合うものを選ぶのがポイントです。また、色合いに関しては、天井や床との調和を考えて、建具や家具とも相性が良いものを選ぶようにしましょう。

2.触感の違いが大きい床材の材質

続いてのポイントは「床」です。床材には明るい色を使うと解放感があり、部屋が広く見える効果があります。ただし、明るい色の床に濃い色の家具を置くと、家具の色が強調されてしまうので注意が必要です。また、床は頻繁に身体が触れる部分でもあるので、色だけでなく材質もよく考えて選ぶようにしましょう。材質によって、触ったり、踏んだりしたときの感触も大きく変わります。

床材に適しているとされている素材は4つあります。1つ目は、木質のフローリングです。「無垢(単層)フローリング」と「複合フローリング」があり、無垢は自然素材のため温かみがあり、本来木が持っている調湿や保温機能に優れています。ただし、物を落としたときなどに傷がつきやすく、急な湿度変化によって反りやすいという特徴もあります。「複合フローリング」は、合板に突き板や化粧シートを貼り合わせた床材で、木目柄や大理石柄などもあります。無垢の風合いとは異なるものの、コストが安いため、多くの家で使われています。水分などをこぼしたときも拭き取りやすく、扱いやすい素材です。

2つ目は「塩ビタイル」や「クッションフロア」など塩化ビニル製の材料で、耐水性に優れているので、水回りの床に向いています。「クッションフロア」は、塩化ビニールクッション材入りの床材を指します。安価で、さまざまな色や柄を楽しめるのが魅力です。一方で、ビニールなので、水で濡れると滑ったり、素足で歩くとベタつくなどのデメリットがあります。

3つ目は「コルクタイル」です。コストはかかるものの、耐久性や遮音・衝撃吸収効果なども期待できます。クッション性に優れているため、高齢者や赤ちゃんのいる家庭には向いているでしょう。このように、床の素材にはそれぞれの特性があるため、場所に応じた床材を選ぶことが重要です。

4つ目は畳です。伝統的ない草の畳のほか、残留農薬やダニの心配のない、和紙や樹脂性の畳もあり、カラーバリエーションも豊富なので、モダンなデザインの内装にも使いやすくなっています。基本的にオーダーメイドなので、全体的なイメージに合わせて、畳縁の色柄を選んだり、琉球畳のようにへり無しの半帖畳にすることもできます。

3.色選びが重要な建具や家具

建具や家具の色がちぐはぐだと、部屋が雑然とみえてしまう恐れがあります。そのため、全体として色で統一感を出すことを意識しましょう。床や壁、天井などのベースカラー(基調色)に対して、家具やカーテン、建具などはアソートカラー(配合色)になるので、バランスを考えることが大切です。家具や建具の色は、床と同色か少し薄い色にするといいでしょう。濃い色は重く感じる色でもあるので、床面に近づくほど濃いめの色を配置することで、安定感が出ます。

4.窓と照明で広さを演出

明るい部屋は広く見えるように、窓の大きさや室内の明るさによって、部屋は広くも狭くも見せることができます。窓や照明を工夫すれば、視覚的に部屋の広さを演出できるでしょう。そのためにも、窓の高さや大きさをどうするかは重要な問題です。ベランダや庭などに通じる「掃き出し窓」も、窓枠の周りに壁があるかないかで解放感に大きな差が出ます。新築であれば、窓枠上部につくられる「垂れ壁」や左右にある「袖壁」をあえてつくらず、全面窓という建てかたもできるでしょう。ただし、窓は壁に比べると断熱性が低いため、窓面積が大きくなるほど外気温の影響を受けやすくなるので、断熱や結露の対策を十分にする必要があります。
また、部屋の雰囲気を重視するのであれば、照明はただ明るければいいというわけではないので注意が必要です。天井に取り付けるタイプの「シーリングライト」は室内全体を照らしてくれるため、部屋全体が明るい雰囲気になります。一方で、落ち着いた雰囲気を演出したい場合にはダウンライトや間接照明のほうが向いているケースもあります。リビングはシーリングライト、寝室はダウンライトのように、部屋ごとのイメージで使い分けてもいいでしょう。なお、調光・調色機能付きの照明にしておけば、明るさが必要な作業をする時やくつろぎたいときなど、生活のシーンに合わせて対応できます。

新築だからこそ内装にこだわろう

新築の場合は、間取りから内装まで自由に決められる部分が大きいため、かなり細かいところまでこだわれるのがうれしいポイントです。せっかくの機会なので、すべてを工務店やハウスメーカーに任せきりにするのではなく、自分の意見や好みも反映させてみましょう。そうすることによって、愛着のわく世界に一軒だけの我が家に出会えるはずです。

執筆者プロフィール

秡川 寿美礼
寺秡川 寿美礼

秡川 寿美礼(はらいかわ すみれ)(インテリアコーディネーター)
(有)エル ・エル・プランニング代表。それぞれのライフスタイルに合わせた暮らしやすい住まいづくりやインテリアコーデイネートを提案している。


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