【専門家執筆】無理なく無駄なく住宅ローンを返済するための返済予定表とは

2018年8月29日

【専門家執筆】無理なく無駄なく住宅ローンを返済するための返済予定表とは

住宅ローンを借り入れると「返済予定表」が送られてきます。今後の返済予定や借入金額、返済期間、金利など、返済予定表にはローンの内容を確認するための大切な情報が記載されています。最後まで確実に返済するときはもちろん、ローンを借り換えるときにも大切な書類です。返済予定表の見方や活用方法を知っておきましょう。

返済予定表の見方

返済予定表は、金融機関によって様式は異なりますが、記載されている内容はおおむね同じです。記載内容には大きく「借入内容」と「返済予定」の2つがあります。
「借入内容」とは、契約した住宅ローンの基本的な情報です。借入金額や利率(住宅ローン金利)、返済終了日など、どういった条件でローンを借り入れたのかである明細が記載されている部分です。返済予定表の多くは、フォーマットの上段部分に配置されています。

借入内容に続いて記載されるのが、ローンの「返済予定」です。毎回の返済額や返済後の残額、返済額の内訳である「元金」と「利息」についても記載されます。なお、返済終了までの情報が記載されるのは、全期間固定金利型で借り入れた場合です。変動金利型や固定金利選択型では、金利の見直しがあるため、それぞれ半年、固定金利期間(例えば10年など)分の返済予定のみが記載されます。

返済予定表で確認できること

次に「借入内容」と「返済予定」、それぞれに記載されている項目の詳細を見ていきます(項目の名称は、金融機関により異なります)。

1.借入内容
【借入金額】
当初、借り入れた金額です。「ご融資金額」と記載されていることもあります。
【借入日】
当初、借り入れた日です。「ご融資日」と記載されていることもあります。
【最終返済日】
文字通り最後の返済日です。この日付を確認することで、何年返済でローンを借りたのかが分かります。「ご返済期限」と記載されていることもあります。
【払込期日】
毎月の返済日です。「ご返済日」と記載されていることもあります。一般的には、銀行口座から引き落としになる日と考えてよいでしょう。ボーナス返済を併用しているときは、その返済月も記載されます。
【利率】
借り入れ中のローンの適用金利です。「お借入利率」と記載されることもあります。

2.返済予定
【返済回数】
何回目の返済なのかが分かります。「返済日」として日付で表示される場合もあります。30年返済であれば回数は360回です。
【返済額】
毎月の返済額とその内訳(元金・利息)です。
【返済後残高】
その回の返済が終わった後のローン残高が分かります。

借り換えをするときに確認すべきこと

住宅ローンはより金利の低いものなど、当初借り入れたローンよりも条件のいいローンに借り換えることで、返済額を軽減できる可能性があります。

借り換えを検討するときには、いま借り入れているローンの内容を把握するのが最初のステップです。そのためには返済予定表の活用が欠かせませんので、返済予定表で必ず確認したい項目を見ていきます。

【現在の金利】
いまの金利は、借り換えを検討するときに最も重要な部分です。全期間固定金利型で借りれば変わっていないと思いがちですが、フラット35Sのように段階的に金利が変わるものもあります。また、固定金利選択型でも、固定期間が終わると自動的に変動金利型に移るものもあります。必ず現在の金利を確認しましょう。

【金利タイプ】
途中で金利が変わる可能性のあるタイプなのか、最後まで金利が変わらないタイプなのかを確認します。大学進学など、子どもの教育費が増える時期は金利の変動で返済額が上がるのを避けたいなど、将来の返済リスクを減らすための借り換えなどにも、金利タイプの確認は大切です。

【残り返済期間】
残りの返済期間が長いほど、ローンの借り換え効果は高くなります。残り返済期間が5年以内などでは、借り換えで軽減できる利息額と、借り換えに必要な費用の差が無く、あまり効果が出ないことも考えられます。残りの返済年数は最終返済日から逆算するか、直近の返済回数を確認することで分かります。

【借入残高】
ローン残高が多ければ利息も多いため、借り換えの効果も大きくなります。借り換えを検討しているローンとの金利差がない場合や、残り返済期間が少ない人でも、ローン残高が多い人は借り換え効果が出る可能性があります。

また、借り換え時には新しく借り入れる金融機関に返済中のローンの返済予定表を提出する必要があります。返済予定表を失くした場合は、金融機関に再発行してもらえます。

まとめ

住宅ローンは、最後まで確実に返済することが最も大切です。毎月の支出のなかでも、住宅ローンは長い期間、大きな割合を占めるもの。無理なく返済しながら家計を安定させるためにも、返済予定表は手元に置き、定期的にローン残高や残り返済期間などを確認する習慣を持ちたいものです。

執筆者プロフィール

高橋

高橋 浩史
高橋 浩史(ファイナンシャルプランナー)
FPライフレックス代表。住宅や保険など高額な買い物時に「お金のことを知らないと損をする!」ことを痛感し、書籍編集者として出版社勤務のかたわら、ファイナンシャルプランナー(FP)資格を取得。2011年からFP業務を開始し、「専門用語やカタカナ言葉を使わない、日常の言葉で語れるファイナンシャルプランナー」として、相談時の話しの分かりやすさには定評がある。子育て世代を中心に、年間100組以上の方のコンサルティングを行っている。
http://www.fpliflex.com/

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