【専門家執筆】資産価値が落ちない家の特徴とは?
多くの人にとって住居を購入することは生涯で最も高額な買い物の一つでしょう。その時に注意したいのが、資産価値が落ちない家かどうかという点です。ここでいう資産価値とは、その住宅を売却する時の価格のことです。では資産価値の落ちない家とはどのような家なのか、その特徴を紹介していきます。
どんな家を買うかよりどこに買うか立地が重要
立地は、家が資産価値を持つためにとても重要なポイントです。そのため、住宅を購入する時には、まず住みたい場所を決めます。それから住みたい家の希望や予算によって、注文住宅、建売住宅やマンションと購入する家の種類を考えると良いでしょう。
具体的な立地条件
では具体的にどんな立地に資産価値があるのでしょうか。5つの例をみていきます。
(1)立地適正化区域内
今後の日本が直面する少子高齢化による人口減少に対応するため、市町村やその枠を超えた、立地適正化計画が進みつつあります。この計画は特定の地域を「立地適正化区域」として、その区域内に「居住誘導区域」を設け、その区域の中核に医療、福祉、商業施設など「都市機能誘導区域」を設置するものです。
「立地適正化区域」内であれば地価の維持または上昇が期待できますが、地域外では下落していく可能性もあります。住宅を購入する地域が計画地域なのか、事前に自治体で確認しておくと良いでしょう。
参考:都市計画運用指針における立地適正化計画に係る概要|国土交通省
http://www.mlit.go.jp/common/001148083.pdf
(2)利便性があること
住みやすい街は人が集まり、地価も維持されるところが多いです。利便性の代表的なポイントは次の2つです。
1.鉄道駅が近いこと。最寄りの駅まで徒歩10分圏内(最近はマンションの物件が余り気味のため、徒歩5分圏内とも言われています)であり、その駅から都心のターミナル駅(東京駅や新宿駅など)まで短時間で移動でき、特急や急行の停車駅だとなお良いです
2.多くの種類の施設が整っていること。
・買物施設:大型ショッピングセンター、スーパーマーケット、コンビニ、駅前商業ビルや商店街など
・医療施設:ホームドクターとしての医院、総合病院など
・公共施設:図書館、公民館、スポーツ施設など
・教育施設:幼稚園・保育園、小学校、中学校、高等学校、大学など
(3)地名にネームバリュー(知名度)がある
東京で言えば恵比寿や表参道のような、全国的にも知られている地名の場所で住居を購入すれば、値段は高いですが資産価値はあります。
(4) 再開発エリアの周辺
たとえば東京駅や名古屋駅、大阪駅に隣接した旧国鉄時代の貨物駅周辺などの再開発地域では、住環境の利便性も整備され、その分地価も高騰しています。再開発の周辺エリアでもその恩恵を享受することができるでしょう。
(5)中古マンションが多く建っている地域
中古マンションが多く建っている地域は、以前から利便性のある地域と言えます。ただし、昔は工場があって多くの人が住んでいたが、今はその工場が撤退して人も減少したという場合があります。現在も価値があるところなのか、環境の変化を確認することが大切です。
建物の価値の見極め方
住宅用の建物の耐用年数は、木造は22年、鉄筋コンクリートは47年と税法上で決められています。従って、通常、その年数を過ぎた建物自体に価格はつきません。例えば木造の戸建て住宅の築25年後の資産価値は、土地の売却代金のみとなります。ただし、【フラット35】Sに適合する高品質な住宅で維持管理をしっかりすれば、22年を過ぎても資産価値は持続するでしょう。
なお、ホームインスペクション(住宅診断)をホームインスペクター(住宅診断士)に依頼して建物に欠陥がないかなどを有料で調査してもらい、必要であれば修繕することで建物の価値を高めることができます。
またマンションの場合、耐用年数は長いですが、現在は物件が余り気味です。しかし、前述した通り、駅から徒歩5分圏内だったり、共用部分の清掃がしっかりされていたりする物件は価値があります。ただし、こだわった設備やオリジナリティの高い作りの建物は、逆に一般的な価値という面ではマイナスに働くことがありますので注意してください。
出典:【フラット35】Sの対象となる住宅|住宅金融支援機構
https://www.flat35.com/loan/flat35s/tech_plan.html
ホームインスペクション(住宅診断)とは – 日本ホームインスペクターズ協会
https://www.jshi.org/what/
まとめ
住居を購入することは、不動産資産を持つことです。その資産価値が落ちないためには、購入する時に、なりよりもまずは立地を見極めることです。そして建物自体も粗悪なものではなく、長年住むことができる素材を厳選した建物であることも必要です。
執筆者プロフィール