賃貸でも壁穴はOK?可能なサイズの説明からおすすめのアイテムを紹介
2020年12月25日
賃貸でもおしゃれに部屋を飾りたいと考えている人の中には、壁に穴をあけていいのかどうかを気になっている人も多いのではないでしょうか。小さい穴だけで、敷金が返ってこなかったり、修理費を請求されたりするのは不本意でしょう。実は賃貸の壁でも、開けていい穴のサイズがあるのです。本記事では開けていい壁穴のサイズから、おすすめのアイテムまで紹介していきます。
1.穴をあけたらどうなる?①画鋲サイズ
基本的に、画鋲で壁穴を開ける程度であれば通常の使用範囲として考えられ、大家さんが費用を負担することがほとんどです。これは国土交通省の「原状回復ガイドライン」に則って決められていることです。壁にカレンダーを貼り付けるなどの誰でも行うことが予想される行動の際に、画鋲やピンを使って壁に穴をあけても、入居者が修繕費を支払う必要は通常であればありません。ただし、大家さんとの間で交わす「賃貸借契約書」に、特約として画鋲やピンの使用可否について明記されている場合があるので注意が必要です。
近年このガイドラインに沿わない特約により、トラブルが相次いでいます。心配な場合は賃貸借契約書をもう一度確認してから使用するか、大家さん又は管理会社に直接確認してみても良いでしょう。それでも画鋲痕が気になる場合、白い壁であれば穴を修復することができます。まず画鋲の穴の入り口に木工用ボンドを付け、そこにティッシュを押し当てます。上から画鋲でティッシュを穴に詰め、はみ出た部分をちぎって再び画鋲で整えたら、完成です。かなり簡単ですが、画鋲の穴であればどこにあったかわからない程度に補修できます。気になる場合は試してみましょう。
2.穴をあけたらどうなる?②釘サイズ
賃貸の部屋で、くぎやネジを使って開けてしまった壁穴は、そのサイズと深さが通常の使用による損耗を超えると考えられています。そのため、修繕費は賃借人、つまり入居者が負担することがほとんどです。稀に画鋲の穴と同じように自分で直そうとする人がいますが、逆に損耗を広げてしまいかねないのでやめておくのが無難です。きちんと大家さんに報告し、決められた手順で修繕費を負担しましょう。壁紙の後ろには石こうボードという部材が使われていて、特に石こうボードに深く穴をあけて貫通させている場合は、修繕費がさらに割高になることもあります。
杭や釘で壁に深い穴を開け、それが石こうボードまで達してしまった場合は通常の使用範囲を超えたと判断され、借主が費用を負担することとなるでしょう。修繕費用は、程度にもよりますが、およそ5000円が相場です。修繕費を支払いたくない場合は、釘やねじを使わないように画鋲程度でとどめておくことをおすすめします。
3.穴をあけたらどうなる?③10cmサイズ
自らの不注意などによって壁に10cm大の壁穴をあけてしまったとなると、賃貸の場合、修繕費用は当然ながら入居者の負担となってしまいます。大きなサイズの穴があくということは、石こうボードまで割れている可能性が高くなるからです。穴をふさぐためのリペアパッチや壁紙が必要になったり、最悪のパターンでは石こうボードごと交換となったりすることもあるため、釘やネジサイズの穴をあけた場合よりも、修繕費が割高になります。この場合は、30000円ほどの修繕費がかかるでしょう。賃貸借契約書の特約によっては、さらに請求される可能性もあります。
意図的に大きな穴を開けることは少ないでしょうが、特に引っ越し時に不注意で開けてしまうという事例がよくみられます。自分で準備する段階で開けてしまった穴はもちろん自分で修繕費を払う必要がありますが、引っ越し業者の過失により開いてしまった場合は、引っ越し業者に請求することができます。最後まできちんと注意を払いつつ、不必要な修繕費を払わなくて良いようにしましょう。
4.火災保険が適用できる場合もある
賃貸物件においては、誤ってあけてしまった壁穴の補修費用として、火災保険が適用されることがあります。賃貸借契約を結んだ際、必ず火災保険には加入しています。加入した火災保険によっては、借家人賠償責任補償、修理費用補償特典が付いていることがあり、この補償がついていれば壁に穴が開いたときの修繕費用を火災保険で対応できるのです。借家人賠償責任補償とは、「偶然の事故で借りている部屋に損害を与えてしまったとき、部屋の持ち主である大家さんに対する損害を賠償する」というもので、主に「火災、破裂・爆発、水ぬれ」において補償されます。
修理費用補償特典は「自分のせいではないものの、賃貸住宅の契約上自分が修理しなければならないと決められているものを修理したときの費用を補償」するもので、空き巣によるものや飛び石による損耗などがこれにあたります。ただし、損耗の具合や保険会社によっては自己負担分が発生することもあったり、穴あけ事象の原因が故意によるものではなかったりするという条件など注意すべきポイントもあります。万が一のためにも、賃貸借契約を結ぶ前に、加入する火災保険の内容についてもきちんと確認しておくのがおすすめです。
5.賃貸物件の壁におすすめのアイテム
賃貸は小さい穴なら大丈夫だとわかっていても、もし目立つ壁穴が開いてしまったらどうしようなどと抵抗のある人もいるでしょう。そんな人にまずおすすめしたいのが、ホチキスです。ホチキスは物を挟みこんでまとめられるだけでなく、紙類を室内の壁に掲示する際にも便利で、画鋲の針よりも細いので穴が目立ちません。ホチキスを180度に開いて針が格納されている側を壁に押しつけて使うことができます。さらにそれよりも目立たない穴にできるピンもあります。市販の「穴の目立たないピン」として売られているものを使用するのもおすすめです。
まったく穴を開けずに壁を飾る方法もあります。写真など軽い紙類であれば、マスキングテープで壁に貼ることが可能です。柄や幅も豊富で、それだけで飾りのアクセントにすることもできます。また、写真などを飾ったコルクボードを棚の上に置いたり、フローリングの上に直接置いて壁に立て掛けたりして使うことで洋風の雰囲気となり、部屋の中もおしゃれになります。空間をうまく使いたい人には突っ張り棒もおすすめです。自転車ラックなどにもなって、ワンランク上の飾りつけを楽しめるかもしれません。
6.工夫次第で穴を開けなくても良い!
賃貸で壁に開けていい穴のサイズについて、十分に理解できたでしょうか。賃貸では画鋲サイズの穴までしかあけられません。しかし、大きな穴を開けなくても、アイテムの工夫次第で壁を有効活用できます。壁穴のほかにも、困ったことがあったら「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が目安になります。賃貸借契約書をよく確認し、不明な事は自分だけで解決しようとせず、貸主に事前に相談しましょう。
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