高齢者施設の種類と特徴|住まいの情報ナビ|E-LIFE不動産情報

2015年9月10日 更新

シニアライフの住み替えの基礎知識 高齢者施設の種類と特徴

長寿時代の理想の住まい選び

いまや日本人の平均寿命は、男性が80.21歳、女性が86.61歳(2013年、厚生労働省調べ)と、世界でも類を見ない長寿国となりました。
定年後のシニアライフが長くなると、その期間を「どこで過ごすか」というプランが重要になってきます。今まで住んでいたマイホームの老朽化はもとより、高齢による体力の衰えや病気、さらには独居の不安などを解消し、高齢者がより暮らしやすい環境を求めて高齢者施設への住み替えを考える人が増えてきました。
ところが高齢者施設の種類は多岐にわたり、しかも度重なる制度の新設・改正を経て、複雑に入り組んでいます。高齢者施設を選ぼうとしても、どれが自分に合った施設なのか分かりにくいというケースも珍しくありません。
そこで、以下の表で各施設の主な特徴をまとめ、次のページからは「提供されるサービス例」「費用の目安」などを詳しく説明します。ぜひ、あなたやご家族のシニアライフの住まい選びにお役立てください!

高齢者施設の主な特徴比較

高齢者施設の主な特徴比較/図

施設の特徴を把握する際にチェックしポイントを紹介します。

「介護施設タイプ」と「住宅タイプ」

高齢者施設は、その施設で提供される介護サービスの有無によって「介護施設タイプ」と「住宅タイプ」の2つがあります。
「介護施設タイプ」は介護付きの施設で、原則として要介護度が要支援または要介護が入居条件となります(一部、自立の状態から入居できる施設もあります)。
「住宅タイプ」は介護がなく、介護が必要になったら自宅での介護と同様に外部事業者の介護サービスを利用します。住宅タイプは自立者の入居が可能で、介護が必要でない時は自宅のようにプライバシー性の高い生活が送れることから、施設というより高齢者向けの住宅といった意味合いが強くなります。

介護施設タイプ
  • 施設内で介護が受けられる
  • 入居条件は原則として要支援か要介護
  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム
  • 介護型ケアハウス
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
住宅タイプ
  • 施設内で介護は行っていない
  • 自立でも入居できる。要支援、要介護の入居が可能かどうかは施設により異なる
  • 介護が必要になったら外部事業者の介護サービスを利用する。重介護状態になると「介護施設タイプ」に転居しなければならないことも
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 自立型ケアハウス
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • シニア向け分譲マンション

「介護保険施設」「特定施設」「グループホーム」

介護付きの「介護施設タイプ」は、「介護保険施設」「特定施設」「グループホーム」に分けることができます。

介護保険施設

介護保険施設は介護保険の「施設サービス」が受けられる公的な介護施設です。入居の際に一時金が不要で、管理費なども抑えられているため民間の施設に比べると利用料が安いのが特徴です。 特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
介護療養型医療施設

特定施設

特定施設は都道府県の指定を受けて、介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスが受けられる施設です。有料老人ホームには「介護付き」と「住宅型」、ケアハウスには「自立型」と「介護型」がありますが、このうち「介護付き有料老人ホーム」「介護型ケアハウス」が特定施設となります。
特定施設は、さらに「一般型」と「外部サービス利用型」に分かれていて、それぞれ介護サービスの提供方法が異なります。「一般型」は施設のケアマネジャーがケアプランを立て、施設のスタッフが介護サービスを行います。「外部サービス利用型」は施設のケアマネジャーがケアプランを立てる点では「一般型」と同じですが、介護サービスを行うのは外部の事業者です。
介護付き有料老人ホーム
介護型ケアハウス

グループホーム

認知症で要支援2以上の人が入居できる施設がグループホームです。介護保険の「認知症対応型共同生活介護」のサービスが受けられます。 グループホーム

※「住宅タイプ」の施設では、家庭での介護と同様に外部事業者と契約し、訪問などの介護サービスを受けることができます。

費用

高齢期の経済的事情は人それぞれ。高齢者施設を選ぶ時も、費用が大きなポイントになります。
一般的に介護保険施設やケアハウスなど公的な施設は利用料が安く、有料老人ホームやシニア向け分譲マンションなど民間の施設は利用料が高くなる傾向にあります。下の表は利用料の目安を示したものですが、実際の利用料は各施設の立地、サービス内容や設備の充実度、入居者の要介護度によって異なります。

費用/図

施設で介護を受けることを検討している場合は、介護費用の支払い方法についてもチェックしましょう。介護保険施設または特定施設の「一般型」の場合、介護費用は要介護度に応じた定額制ですが、特定施設の「外部サービス利用型」または施設内で介護を行わない住宅タイプの施設の場合、介護は外部の事業者を利用するため、利用した分だけ介護費用を支払う仕組みになります。

介護費用が定額制(※)の施設

  • 介護付き有料老人ホーム(一般型)
  • グループホーム
  • 介護型ケアハウス(一般型)
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

※介護費用は地域、施設の形態、居室の種類などにより異なります
※介護保険の支給限度額を超えるサービスや適用外のサービスは自己負担となります

メリット 1日に何回も介護サービスを受けても、定額制なので安心
デメリット 施設の介護スタッフの人数が限られているため、入居者が望むペースで介護を受けられるとは限らない

介護費用を利用した分だけ支払う施設

  • 介護付き有料老人ホーム(外部サービス利用型)
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 自立型ケアハウス
  • 介護型ケアハウス(外部サービス利用型)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • シニア向け分譲マンション
メリット 訪問サービスは外部のヘルパーが訪問するため、1対1でじっくり介護を受けられる
デメリット 利用する介護サービスが多くなると、その分費用が割高になる

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最終更新日 2024年10月30日