千葉県船橋市は、全国にある中核市の中でも最多の人口を誇ります。多くの人が暮らす船橋市の独自性が見える行政の取り組みとしては、まず『こども未来会議』が挙げられます。子どもたちが自分たちの目で見て船橋市の現状を知ることで、将来を見据えた街づくりを目指すものです。船橋市内28の中学校の代表と船橋市長が直接意見を交換する点が特徴で、市内を5つのブロックに分け、それぞれの中学校の代表が各学校から持ち寄った提案について話し合います。それぞれの提案に対して市長が直接回答をすることから通学路や自宅の近所にある危険と感じられる箇所についての具体的な要望が多く、実際の改善に繋がれば、今後ますます活発化することが期待されます。
一方、教育面以外に見られる船橋市独自の取り組みには『保健と福祉の総合相談窓口「さーくる」』の設置があります。これは、保険や福祉に関する相談の際にありがちな垣根を取り払った窓口で、子どもでも高齢者でもなく、障がい者でもない、保険制度や福祉制度の狭間でどこに相談すべきか困っていた市民を対象としたサービスです。この窓口を利用することにより、それまで多くの窓口をたらいまわしになっていたような案件が、たった1回の質問や相談でスムーズに解決するようになりました。相談者の手間だけでなく時間やコストも無駄が減った特徴的な事案です。
また、街づくりの取り組みとして、観光都市を目指す船橋市は、市の立案で年に数回のモニターツアーを募集し、参加者からの率直な意見を集めることでより魅力あるツアーコースを創出する試みをしています。更に、船橋市の魅力をアピールする「船橋市役所 特案係」という観光PRドラマの作成も行われており、2015年9月15日現在youtubeで第3話まで公開されています。緑化運動の一環としては、『花いっぱいまちかどフェア』が行われており、毎年花壇コンテストも開催されています。このように、市民が参加できる街づくりイベントが多い点も船橋市の特徴と言ってよいでしょう。